第20話 パーティー結成

「先生!ディズさん!そのモンスター狩り、俺たちも連れて行って下さい!」


ウェルは一段と大きな声で言った。


「バカな事をいうな。お前らみないな半人前がきた所で、足手まといが関の山だ。」


ディズは嘲笑うかの様に言う。

しかし、ウェルも引かない。


「未熟なのは承知です。でも俺、もっともっと強くなりたい!その為には、強いモンスターと戦いたいんです!」


あまりの気迫に、ディズも黙り込む。

そう言う僕も、まだ見ぬ未知のモンスターに興味を持っていたから、ウェルの意見には賛成だった。


「ウェル、城の兵士でさえやられてしまうのです。危険過ぎます。許可出来ません。」


「死は覚悟の上です。それに人数は多い方が、万一の時に1人でも生き残る確率が高くなるでしょう?」


こう言う時のウェルは本当に頼もしい。

彼の言葉は欲望にまっすぐで、それでいて誰も傷つけない。


「…わかりました。確かにあなたたち2人は、今やこの村の稼ぎ頭です。現状、この村で最も戦力になるのはあなたたちでしたね。」


先生も事態の深刻さを前に、慎重になっているのだろう。

僕は、先生に認められた事が嬉しかった。


「では、出発は明日の夜。ルークとウェルは自宅に帰り休んで下さい。ディズは今夜は私の家に泊まると良いですよ。」


僕らは先生の料理を早々に平らげ、家路に着く事にした。

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