第15話 新たな出会い

現れた影は、次々にゴブリンを跳ね飛ばしていく。

僕は体が軽くなったのを感じ、すぐさま起き上がった。

一体、何が起こったんだ??


見ると、そこには1人の獣人の姿があった。

黒灰色の獣人は、次々にゴブリンを仕留めていく。

10…15…20…、僕があっけに取られているうちに、遂に周りからゴブリンが居なくなった。


「ルーク!大丈夫か!?」


酷く返り血まみれのウェルが寄ってきた。


『なんとかね…。ウェルこそ大丈夫?』


「ああ、この場の腐乱臭でノックアウト寸前だがな。それより…。」


そう、黒灰色の獣人だ。

僕らの村では見かけた事がない。


『あの、先程はありがとうございました。』


「…別にいい。」


黒灰色の獣人は、不機嫌そうに答えた。


「お前たちみたいなのがいるから、俺の仕事が進まないんだ。邪魔するな。」


お前たちみたいなの?

僕らはずっと前から多数のゴブリンを相手にしていたのに、なんだその言い方は!?

助けて貰ったのは感謝してるが、正直僕はイラッとした。


「いや!カッコ悪いとこを見せたな!しかし、アンタは一体何者なんだ?見たところ俺たちの村では見かけないが…。」


不穏な空気をさっしたのか、僕が黒灰色の獣人に言い返す前に、ウェルが答えた。


「…お前たちこそ、何者だ。」


『僕らはこの付近の村の出身です。僕がルークで、そっちはウェル。あなたは?』


「俺は獣人王様の側近、ディズだ。」


獣人王様の側近!?

どうしてそんな人がこんなところに!?

僕の頭に、次々に質問の山が生まれた。

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