第7話 森の外れ

その後も、僕らは順調に狩りを進めていた。

山鳥、猪、山猫、熊…仕留めては村の付近に運び、また匂いを辿る。


獣人たちの当たり前の狩り方に、ようやく僕も慣れてきた。


『ねえウェル、ちょっと聞きたいんだけど…。』


「どうした?」


『ウェルって初めて狩りに行った頃、村に帰れなくなった事ってある?』


「そんな事、ある訳ないだろ。ってか、そんな獣人っているのか?」


だよな、と僕は思った。

この数時間で、獣人とは本能で生きるものだと、何となく理解した。

ただ、もしかしたら僕はあれこれ余計な事を考え過ぎているのかも知れない。


そんな事に気づきながら、僕は夢中になって狩りを続けていた。

なんだか、一晩しか経っていないのに、僕は自分が随分強くなった様に感じていた。


ふと気づくと、僕らは森の外れまで来ていた。


「ルーク!そっから先は行き過ぎだ!引き返そう。」


『ああ、そうだったね。けれどこの先に獲物の匂いがするよ?』


「ダメだ。森の外は人間が生活している。あんなものと関わってはならないと、先生にもキツく言われているだろう。」


人間、それはおそらくこの大陸でもっとも多い種族なのだろう。

だが、たまに森に迷い込んだ人間は見た事があるものの、詳しい事は僕もわからない。


『人間…いったいどんな生活をして、何を食べているんだろうね。』


「お前、そんな事に興味があるのか?」


ウェルは、少し低い声で答える。


『ああ、変なことを言ってごめん。今日はこのくらいにしておこうか。』


もう少ししたら、うっすら太陽が昇ってくる。

僕らは、2人での初日の狩りを終え、村へ戻って行く。

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