告白の返事とナニソレオイシイノ

 だんだんと外の熱気も収まってきた午後16時。

 お昼ご飯を食べ終えた俺は千歌先輩の部屋に来ていた。

 千歌先輩の部屋は物が極端に少なく虚無に満ち溢れている俺の部屋とは違い、物量はあるもののきちんと整理整頓されていて、相変わらず【優等生の部屋】と言う感じである。

 ちなみに小学校時代にいじめっ子が我が家に遊びに来た事が合ったのだが、俺の部屋は【戸塚菌研究所】と呼ばれていたHAHAHAHA

 ......どうもバイオ兵器のゴキブリ人間兼戸塚菌こと戸塚 優です!

「そこのベットに座っちゃって~」

 既にダメになっている俺がさらにダメになってしまいそうになる程にふわふわしているベットに座ると、千歌先輩も俺の隣に座ってきた。

 かなり密着する形で寄ってきたからか、温もりや体温が否応なしに伝わってくる。

「......こ、告白の件って考えてくれたのかな」

 千歌先輩は緊張しているのか顔を強張らせ、恐る恐ると言った感じで問いかけてきた。

 以前から母さんとの件が終わったら答えを出すと言っていたので、相当待ってくれていたのだろう。

「......本当にごめんさい。正直言うとまだ異性として千歌先輩のことが好きなのかの答えが出ていないんです...」

「...そ、そうなんだ」

 あれから何度も何度も考えてみたが、やはり頭の中で靄がかかる感じがして解が導き出せなかったのだ。

 小学校時代のあの出来事以来、いつもこのザマである。

「親友...そして先輩としては本当に好ましいと思ってるんです。ですが、あの件以来りこと父に対しての家族愛しか分からないというか........血の繋がりのない人を愛する気持ちが思い出せないんです」

「......そっか」

 ......本当に俺は最低である。

 期待させるだけさせて利用し、いざとなったらこうして逃げてしまう。

 こんなかっこ悪い自分にいつも以上に反吐が出た。

「...なので、俺みたいなヤツと付き合うよりちゃんと先輩のことを愛してくれるヤツと付き合った方が良いと思いますよ。。。本当にご...」

 俺が拒絶の言葉を発そうとしたその刹那、千歌先輩が俺の口を人差し指で優しく塞いできた。

 千歌先輩の甘いミルクのような香りが鼻腔いっぱいに広がっていくのがわかる。

「提案なんだけどさ......夏だけお姉さんの彼氏になってみない?」

 そんなあまりにも予想外な千歌先輩の一言が突き抜ける様に部屋に響き渡ったのだった。



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