千歌先輩と妹2
「......お兄ちゃん、そんなに急いでどうしたの?おしっこ?」
身長約165cmくらいで細身ながらもモデルさながらのスタイルに、鮮やかな栗色の髪の毛。
軽くメイクをしているからか大人っぽさもあるが、それでも隠しきれていない男人気が高そうな童顔。
......声の主はどちゃくそ陽キャであることで有名な我が妹だった。
「おお~りこか。来るならLINEしてくれれば良かったのに。仕事してるだけだよ」
まあ、俺ことゴキブリ人間兼戸塚菌が校内を徘徊していない方が文化祭は良い方向へ向かうに決まっているのだがHAHAHA
生徒会長という名の上司の顔色を窺い、無駄な仕事をして暇を潰してしまう......これぞ資本主義社会の縮図である。
「へぇ~ご苦労様って......そこの美人誰!?」
ふと、後ろを振り返ると鈍い俺に痺れを切らしたのか、千歌先輩が戻って来ていた。
「同じ文化委員の先輩の夏川 千歌先輩だ。里香のお姉さんだから、陽キャなりこなら小さい頃に会ったことがあったんじゃないかな?」
........ちなみに中学の頃、俺がりこの兄だと言ったら担任に妄想だと思われたことがあったりする。
どうも、虚言癖持ちゴキブリ人間です!HAHAHAHA
「ど、どうも。優の妹のりこです」
「りこちゃんよろしくね!あっ、夏川 千歌です!苗字長いし下の名前で呼んでね~」
「...はい!千歌さんよろしくお願いします」
二人の様子を見るにどうやら、面識はないようだった。
まあ、いくら二人が陽キャOF陽キャだとしても学年が違うのでそんなものなのだろう。
「......それにしてもりこちゃんめちゃ可愛いね!」
「ですよね!よく分かってるじゃないですか先輩!これも俺が負の遺伝子を全て受け入れた結果なんですよ!えっへんHAHAHAHA」
「君は家族の前でもこんな感じなんだ!?......君の裏表の無さにはお姉さんいい意味でも悪い意味でもビックリだよ...」
そもそも俺のような無能なゴキブリ人間兼戸塚菌は自分を大きく見せる能力もなければ、向上心もないので裏表があるヤツになりようがないのだ。。。
「ふぅ~ん?なるほど...!ふむふむ」
「どうしたそんなに難しそうな顔して」
「いや、お兄ちゃんも隅に置けないなあ~って思っただけ」
「いや、自慢じゃないがお兄ちゃんは大体隅で存在感消してるぞ」
「ああ~はいはい。そういう鈍感系主人公?みたいの女子ウケ悪いからやめた方が居いいよ~」
りこは呆れたような表情を浮かべ、大きなため息を一つ吐いた。
「それじゃ!気の利くりこちゃんは兄の恋路の邪魔をしたくないので、お母さんの所に行ってくるであります!」
りこは千歌先輩に深々とお辞儀すると早々とこの場から去って行った。
かくして、文化祭一日目にしてゴキブリ人間兼戸塚菌の癖に外堀が埋まってしまったのだった。
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