教室での作業と手繋ぎ

 翌日の誰もが待ちに待った華金。

 授業を全て受け終えた俺は、自分の教室にて千歌先輩、亜里沙さん、里香の四人で文化祭に向けての作業をしていた。

 .......何だか、男子から物凄い睨まれているがそんなのゴキブリ人間兼戸塚菌な俺に取っては日常茶飯事なので、ノーダメージであるHAHAHAH

「...で?お二人さんはどこまで行ったの?」

 全校生徒向けのしおりを作成する為、皆が無我夢中でタイピングしていると沈黙を破るかのように亜里沙さんが呟いた。

 興奮しているのか、鼻息荒く呼吸しているものの作業自体は手際よく進めているので何も言えない。

「......え、えっちなことなんてしてないよ!」

「なるほど...つまりは焦らしプレイって事だね!流石、美人はやることが違いますな~」

「話聞いてた!?」

 ふと斜め右に座っている里香の方を見ると、頬を赤く染めもじもじとしながら手を動かしていた。

 おそらく、この手の下ネタがあまり得意ではないのだろう。

 まあ、俺がきしょく悪すぎて体調を崩しているだけの可能性もあるのだがHAHAHA

「亜里沙さん流の考えで言うと、戸塚菌に汚染された消しゴムに触れちゃって泣いた女子も本当は俺に一切の嫌悪感がなくて、罵りプレイがしたかっただけってことですか!?」

 ......ということは、今までのいじめも向こうの好意ゆえの愛情表現!?

 やったhahaha......

「少年よ...そういうことだよ!」

「亜里沙さん......!」

「多分違うよ!?......とはいえ、これからもお姉さんと一緒にいようね!」

 こんなゴキブリ人間の戯言を肯定してくれるなんて、、、

 もしかしたら、亜里沙さんは良い人なのかもしれない。

 ちなみに俺の座右の銘は『夢だけ見て死んでいきたい』である。

「......」

 あれから話題が変わっても里香は一言も喋ることもなく、どこか気まずそうにしていた。

 いつもは自分から喋りにいくくらいなので、珍しい。

「...大丈夫か?」

「う、うん!お姉ちゃんから仕事教えてもらったは良いものの、難しくてさ~」

「そうか」

 里香はどこか取り繕うような淡い笑みを浮かべ、作業に戻ってしまった。

 察するに過去のことで色々と思う事があるのだろう。

 俺もである。

 まさに青春の真っ最中なこの時間はまだまだ続くのだった。



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