久々の外食と嫉妬と黒

 日も沈み始め、夕方と夜の境目である、午後6時半。

 あれから俺たちは作戦会議の意味も含めて、駅前のファミレスに来ていた。

 店内は、学生から高齢者、家族と多種多様な客層で溢れかえっている。

 ちなみに回転寿司は延期することになった。

 ......いくら、鋼のメンタルを持っているゴキブリ人間兼戸塚菌と言えど、流石に今回の件は堪えたのだ。

 それに今、食っても味がしない気がする。。。

「町田さんにLINEで聞いたのですが、やはり吉田の父親が社長で間違えないようですね」

 俺はLINEのトーク画面を開きながらスマホを差し出した。

 ファミレスに向かう最中にメッセージを送っておいたのだ。

「っていうことはやっぱり黒だったんだ」

「残念ながら......」

 まさかあの時のつけが今にまで影響してくるとは思わなかった。

 やはり、俺が被る不利益の全ては自分の詰めの甘さに帰属している。

 将来的にはこれすらも変えていかないと、いけないのだろう。

「まあ、でも俺には絶対に交渉に成功できるであろう隠し玉があるんで」

「ちなみにどんななの?」

「口にすると口が汚れるくらいには酷い事なので秘密です」

「それ捕まらないよね!?......お姉さん末恐ろしいよ」

 捕まるか否かで言えばグレーだが、もう人生が終わっている俺からしたらそんなの痛くもかゆくもない。

 ....どうも、人生既にエンドしてる無敵の人系男子戸塚菌です!HAHAHA

「........それにしても、何で町田さんの連絡先持ってるのかな~?」

 千歌先輩はさっきまであんなに輝かせていた碧色の瞳のハイライトを消し、真顔で睨んできた。

「有事の際に備えまして、何となく交換しただけですよ」

「......ふぅ~ん?まあ、もし付き合ったら女の連絡先全部消してもらうからね」

 こういうのをメンヘラと言うのだろうか。

 孤立系戸塚菌な為、リアルでお目にかかったことはなかったのだが、まさかフィクションの産物でないとは......

「......」

「...なんて冗談だよ冗談!いつも君にやられっぱなしだからやし返してやろうと思って」

「けっ、騙しやがって!そもそもこれ以外に女の連絡先を持ってねーよ!こうやって俺のこといじめて楽しいか?」

「そんな悲しい辛辣はやめてよ!?」

 まあ、正確には母さんとりこの連絡先を持っているのだが。えっへん

「冗談はさておき、私に出来ることはない感じかな?」

「いえ、見守っていてくださると嬉しいです!赤信号みんなで渡れば怖くないってヤツですね!」

「例え話はあれだけど.......お姉さんに任せてよ!」

 かくして俺たちの戦いは火蓋を切ったのだった。


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 次回また物語が大きく動いていくと思うのでお楽しみに!

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