中学の同級生と嫉妬
「夏川先輩ここってどうすればいいですかね?」
「ああ、そこは予算的にカットでいいんじゃないかな?」
あれから一週間が経ち、校内は文化祭ムード一色になっていた。
先生などからの推薦があり、文化委員長になった千歌先輩は他の文化委員から色々と質問攻めにされていて大変そうだ。
かくいう、平社員の俺はと言うと仕事を振ってもらえなくて......なんてことは全くなくむしろ千歌先輩がいない所で押し付けられていた!
どう考えても俺が千歌先輩と親し気にしているのが原因だろう。
......よく『男の嫌がらせは単純である』みたいなことを巷で聞くが、この件で人間なんて男女関係なく陰湿何だと再確認できた。
まあ、こんなゴキブリ人間を必要としてくれるのならば、ちょちょいのちょいなのだが!HAHAHAHAつらい...
「ごめん、戸塚くん!ここってどうやればいいのかな?」
俺がいつものように心を殺して労働に励んでいると、同じ文化実行委員の女子が話しかけてきた。
いくらゴキブリ人間で人類の天敵といえど、仕事を押し付けられ権限が増えたのと、明確に嫌われているのが大半の男子と一部の陽キャ女子と言う事も相まって、こうしておとなしい目な女子とはよく業務連絡などしているのだ。
「ああ、これ町田さんに担当任せてたやつだよね。分かりにくくてごめん。多分、ここは個人名で紹介するよりも企業名でやった方がいいかな。向こうも企業として参加してくれてるんだし」
あと、今話しかけてきた町田さんは『多分』同じ中学出身ということもあるのだろう。
『多分』と言うのは孤立系孤高のゴキブリ人間は中学時代の記憶が黒歴史過ぎてあまり記憶にないのだHAHAHAHA
「ああ!なるほど!戸塚くんってなんか怖いイメージ合ったけど本当に教えるの丁寧でわかりやすいよね!結構、女子の間で好評なんだよ!」
「町田さんも冗談とか言うんだねHAHAHAHAウケる」
何だか当たり障りのないイメージが合ったがこんなブラックできっっっついジョークを言うとは......
こんなの俺以外の社会不適合者だったら登校拒否物である。。。
「......むぅ」
なんて、俺が心を深く傷つけていたら、千歌先輩が不機嫌そうに頬を膨らませこちらを見つめてきていた。
何か業務連絡でもあるのだろうか。
一瞬、嫉妬なのではないかと思ったが、俺がただいじめられていただけなので、それはないだろう。
「...どうしたんですか?」
町田さんとの話を早々に切り上げ、俺は教団に座っている千歌先輩の元へ向かった。
「......別に。他の女の子と楽しそうにしてるなって思っただけだし」
「けっ、楽しそう?こちとらキツいブラックジョーク言われて傷ついてんだよ。向こうは多分、サンドバックとしか思ってないぞ」
「ここでも辛辣!?......お姉さん、もっと励ましてもらえると思ったんだけどな~」
千歌先輩は細くしなやかな右手で俺の袖を揺すぶってきた。
俺もこうしてさらっと受け入れているが、最近こういうコミュニケーションも増えた気がする。
「まあ、この話は二割くらいは冗談だから置いといて~」
「それほぼマジじゃないですか!?」
まあ、クソみたいなゴキブリ人間兼戸塚菌のせいなのだが。
「この前言ってた企業に明日の放課後打ち合わせに行かない?」
この前言っていた企業とは母さんが働いている会社のことである。
この件は母さんが主に担当しているらしいので、おそらく顔を合わせることになるだろう。
「いいですよ!なら、アポ取っておきますね」
「ナイス!あとさ......その後お姉さんとご飯食べていかない?」
「わかりました」
「......やった!」
この時の俺はあんな目に合おうとも知らずに、呑気にそれに向け資料制作を始めたのだった。
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