LHRにての一幕
あの夜から二日が経過した月曜日の朝。
休日の不摂生が祟ったのか、ぼっーとしていると真後ろにいる里香にポンポンと肩を叩かれた。
正直、誰がどこの席に座っているかなんて全く覚えていないが、ゴキブリ人間兼戸塚菌にわざわざボディータッチしてくるヤツなんてこの教室の中で里香以外いないだろう。
どうも自他ともに認めるバイオテロ戸塚 優です!HAHAHAHA
「...1時間目のLHRで文化祭の役員決めするじゃん?」
「ああ、そうだったな」
正直、この手の行事に全く興味がないので今思い出した。
というか、ぼっちに学校行事は辛すぎるのだ。。。
小学校の時の運動会の練習中に『おい、豚足!足遅すぎるだろ!死ね!』と同じクラスの福島くんに言われたのは良い思い出であるHAHAHAHAHA
......絶対に許さない。。。
「何か立候補したりする?」
「バイトあるし、そもそも参加すらしないかもな~」
そう!俺は立派なクルーなのだ!えっへん
「...そっか。でも、当日は来るよね?」
「妹が行きたいって言ってたし多分な」
「多分って...確かこの文化祭、戸塚くんのお母さんの会社と地域交流提携?みたいのしてるんでしょ?サボったら怒られちゃうぞ~」
「マジ!?」
そんなの初耳である。
「戸塚君のお母さん結構この学校に来てるよ?」
母さんの会社は規模がデカくて慈善活動なども活発に行っていると聞いたことがあるので、きっとその一環なのだろう。
.......これはチャンスかもしれない。
正直言うと、日曜日千歌先輩の家から帰った後、お互いにこの話に触れないように取り繕うばかりで何も話が進まなかったのだ。
母さんも俺も気まずそうにただ黙りこくるだけだけ。
.......わかっている。
こんなの俺の甘えだ。
母さんがこの前、俺をあんな風に説得してきたのも俺が心配だからなのだ。
その証拠に、別に俺は真っ向から結婚について否定していないので、このまま母さんが話を進めてしまえば俺は頷いてしまうだろう。
でも、母さんはそれをしていない。
母さんのやり方は確かに下手くそかもしれないが、母さんなりに真剣に俺に向き合おうとしてくれていたのだ。
それなのに俺は千歌先輩に情けなく救い船を出してもらい、母さんを一方的に悪役にして逃げるだけ。。。
どちらが悪いかは明白である。
........勿論、俺もこのまま易々と結婚を認めるつもりは毛頭ない。
自分の思いの丈を吐き出してやるつもりだである。
だが、正々堂々と真正面に母さんと向き合う為には、きっと俺が変わらなければいけないのだ。
俺は本当の意味で母さんに自立した姿を見せ、対等な関係になるため文化祭実行委員に立候補することにした。
どうせ、立候補者なんて一人もいないので、文化実行委員になれないなんてことはないだろう。
「ごめん嘘。やっぱ立候補するわ」
「まじ........?」
「マジよりのマジだ」
「そっか...!なんか昔に戻ったみたいで嬉しいかも!私の協力するからいつでも声掛けてね!」
きっと、母さんに誠意を見せて初めて俺ががワガママを言うのが許されるのだ。
この時の俺はこの件であんな修羅場が巻き起こるとも知らず、一限をまだかまだかと待ちわびていたのだった。
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