怒りと先輩のおうち
「...そんな事言われたら優くんは頷くしかないじゃないですか。本当に優くんの味方なのだとしたら、それは違うと思いますよ」
千歌先輩は母さんと松坂さんに諭すように、二人を碧色の瞳でジッと見つめながら呟いた。
美人だからかはたまた人としての格が違い過ぎてゴキブリ人間兼戸塚菌な俺の弱者としての本能が刺激されたのか、猫背な俺の背筋が伸びるくらいには圧倒的な威圧感ある。
まさに一瞬にして、先輩はこの場の主導権を掌握していた。
「.......軽率でした。本当にごめんね、優」
「僕もごめん。初めて会ったのがこんな場だったから、やるなら今しかないと思っちゃって...本当にごめん」
おそらく、二人は本当に好き合っていて、一緒になりたいと言う思い一心であのような行動に出たのだろう。
二人が嘘や悪意を持っているとは思えないし、母さんがそんな人間でない事は息子である俺が一番分かっている。
「この話はまた後日の方がいいんじゃないでしょうか。やはり、今はお互い冷静じゃないですし」
「...そうね。」
「色々と混乱させちゃってごめんね。それじゃあまたね優くん」
そういうと二人は大通りの方へと消えていった。
おそらくあの方面には駐車場が多く点在していたので、車で来ていたのだろう。
ふと、辺りを見回すと闇は一層深まっており、それに対抗するようにビルや看板が派手な光を出していた。
ゴキブリ人間兼戸塚菌のブルーな気持ちは中々変わらないのに.......と今日何度目か分からないが電気に羨望の念を抱いてしまう。
やはりゴキブリ人間なので、本能的に光を求めているのかもしれないHAHAHA
「それでは色々とありましたが、カレー屋に行きましょー」
「そ、それなんだけどさ!.......よかったらさ、うち来ない?」
先輩は真っ白な頬を紅色に染めそう呟いた。
余程、恥ずかしいのか両手で頬を覆いながら俯いている千歌先輩は、今は年相応の少女に見えた。
「え?」
千歌先輩の予想外過ぎる提案に思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
「ほ、ほら...!なんか、今は暗めな雰囲気だし......君とご飯食べに行くなら楽しい気持ちの時が良いっていうか」
確かに聖人な千歌先輩はこんな状態の俺に奢って貰っても楽しむに楽しめないのかもしれない。。。
そういうことならば、断る理由はないだろう。
「はい、ぜひ........ただ、ゴキブリ人間なのでご両親に不快に思われて殺虫剤かけられないか心配です」
もし、俺が千歌先輩の父親だとしてこんな小汚くて頭のおかしいヤツを連れてこようものなら、ゴットブローをかましてやるだろう。
「されないよ!?相変わらずの卑屈........確かにお母さんは元ヤンで怖めだけど、君に会いたい~!って言ってたし」
「それ冗談抜きでだいじょばないヤツじゃないですか!?」
「た、多分大丈夫だよ.......!」
「.........」
「だ、大丈夫!君のことはお姉さんが守るから」
「....りこに遺言残しておこうかな」
かくして、俺は千歌先輩のうちへ向かうことになったのだった。
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