母親の彼氏と修羅場
あれから腹ごしらえをし終え、ウィンドウショッピングをしていると日も沈み午後7時になっていた。
街はまだ真夏でクリスマスでもないと言うのに、煌びやかな装飾の数々でライトアップされている。
ゴキブリ人間の下品で薄汚い心は何をしようとライトアップできないのに、この街はスイッチを押すだけで明るくなれると事実に少し嫉妬してしまう。
まあ、常に暗い人生を歩んできた為、別に今更どうとも思わないのだがHAHAHAHA
「そろそろ晩御飯でも食べない?」
「ですね。今日ぐらいは奢りますよ」
千歌先輩は俺のこの一言に余程驚いたのか、目を大きく見開き一歩退いた。
「あの、私に毎回奢らせて高いもの頼むことで有名な君が!?」
「はい!えっへん!」
......よくよく考えたら今までの俺クズ過ぎるだろ。
やはり、ゴキブリ人間兼戸塚菌は身体だけではなく心も薄汚れていたらしい。
まあ、今も奢られて食べる居酒屋の飯がいっっっちばん好きなのだが。
ぐへへへへ。
「......お姉さん感動だよ!」
千歌先輩は興奮した様子で俺の腕をぶんぶんと振ってた。
......そんなに驚くことか!?と一瞬思ったが、社会不適合者エキスパートな俺が奢ると言ったらそれは驚くだろう。
ちなみに座右の銘は『受けれる施しは全て受けるべし!』である。
「流石に奢れっぱなしは自分の存在意義が自分で分からなくなってしまうので」
「理由は変わらず卑屈なんだ!?.......でも、君が私の為に何かしてくれるってだけで嬉しいよ!ありがと...」
千歌先輩もご満悦な様子なので、これならもっと早く奢ればよかったかもしれない。
元々ロック以外に趣味と言った趣味がないの+ただ
これじゃあ、完全に戸塚菌に小判、ゴキブリ人間に真珠である。
「それじゃ、行きましょうか」
「だね」
ちなみに今日行くお店は、ここら辺では有名なインドカレー屋である。
何でも、絶品でお昼なんかは並ばないと入れないらしい。
そのカレー屋さんに向かうべく、街の奥へと向かって行く。
「......」
ここら辺のエリアはそういうお店やホテルが多く、千歌先輩は気まずさからか頬を赤らめ、視線を右往左往させている。
千歌先輩がモテる理由が何となく分かった気がする。
こういう千歌先輩はあまりお目にかかれないので、ゴキブリ人間で性格が歪んでいる俺が観察していると、10m先のラブホテルから何だか見覚えのある女性が出てきた。
サラサラと艶めかしく美しい黒髪に、モデルと言われても遜色ない程に整った顔。
黒を基調としていて、落ち着いたどこか気品すら感じさせるスーツ。
いかにも仕事が出来そうなこの婦人は俺の母親に瓜二つだった。
「優くん...?」
母さんらしき女性は男の人の肩に抱き着きながらそう呟いたのだった。
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