デートと照れ
あれからあっという間に時が経ち今日は千歌先輩との約束の日である土曜日。
休日だからか駅前はまだ朝の9時だと言うのに、人で溢れていた。
空も雲一つない快晴でまさにお出かけ日和である。
......心が曇っていて濁りまくりな俺の心とは大違いだ!HAHAHA
「......お、お待たせ!」
いつものベンチに待っていると、時間通りの9時15分に千歌先輩が来た。
まるで真珠のように真っ白で、どこか涼し気なまさに夏の風物詩であるワンピース。
どこか懐かしさを覚える甘いフルーツのような香り。
メイクに関しても普段通りナチュラルメイクではあるものの、男の俺でも気合が入っているのだと分かるほどの仕上がりだ。
忖度なしに初見だとハリウッド女優と言われても信じるレベルである。
つまり何が言いたいのかと言うと、美人過ぎだろおおおおおおおお!!!
正直、なんでこの金髪碧眼美女が俺みたいなゴキブリ人間のことが好きなのか全く理解できない。
「......ど、どうかな?友達から聞いて男の子が好きそうな感じにして来たんだけど...」
「似合ってます!っていうか冗談なしに芸能人かと思いました」
「やった!......君もそれかっこいいじゃん」
ちなみに俺も今日はこの前の買い物で買ったジャケット、Tシャツ、ズボンを着ている。
というか友達と遊びに行くと言ったら、察しの良すぎるりこに無理やりこれを着させられた。
正直、暑いし今にでも脱いでやりたかったが、制服を着て行ったら明らかに千歌先輩との差で浮いてしまうだろうし正解だったのだろう。
......流石、社会不適合者兼戸塚菌を手名付けてきた妹は判断力が違うぜ...!
「ナイスジョーク!千歌先輩の皮肉は朝からキレッキレですね!HAHAHA」
「デートでもそれは変わらないんだ!?......まあ、お姉さんの肩の力も抜けたしいいや」
ちなみに今日行く場所は定番の映画館。
俺と千歌先輩が好きなバンドが海外の人気ホラー映画の吹き替えの主題歌を務めると言うことで、それを見るつもりである。
一つ懸念点があるとしたら俺が大のホラー恐怖症と言うことぐらいだろうか。
幾ら、人に対する愛や恋と言った感情が曖昧になった俺とて、恐怖心くらいある。
よく強がりの馬鹿が『幽霊より人の方が怖いから』なんて的外れな事を言うが、その理論ならば人の手によって作られたホラー映画に怖がるのは当たり前のことなのではないか。
「楽しみだね!」
......いくらゴキブリ人間兼戸塚菌と言えど、多少空気を読むことくらいはできる。
というか、千歌先輩の満面の笑みを前にしてそんな事を言えるほど屈強なメンタルは持ち合わせていない。
そう。
何においても人並み以下の最弱!それがゴキブリ人間兼戸塚菌である!
「ですね!」
かくして俺は千歌先輩と共に母さんとまだろくに話せていないと言う現実を忘れるべく、映画館へと向かったのだった。
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作者から~
このデートで起こるある修羅場によりまた展開が大きく動くのでお楽しみに!
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