学校で先輩と遭遇
透き通るように青い空。
身体全体を包み込んでくれるような暖かい微風。
俺は今日が快晴ということもあり、体育館裏に設置してあるベンチで昼食を食べていた。
こうして集団と言う名の牢獄から抜け、悠々自適にダラダラするのは中々に良いものである。
ちなみに今日の昼食はカレーパン!
辛い食べ物が苦手な俺であるが、チャレンジ精神を大切にしていきたいということでこれにした。
具は肉、ニンジン、ジャガイモと栄養満点である。
そう、俺ほどの社会不適合者ともなれば自己管理すらできるのだ!
えっへん。
「あれっ?優くんじゃん!」
俺が黄昏れいると何やら聞き慣れた声が背後から聞こえてくる。
「えっ!?な、なんで先輩がいるんですか...?まさか不法侵入...?」
「違うよ!私もここの生徒だもん!」
不法侵入者(仮)こと千歌先輩が不満を訴えるかのように口をぷくりと膨らませ、見つめてくる。
「.......ま、まさか君は私と同じ学校だって知らなかったの?」
先輩は呆れた様子で俺に生徒手帳を渡してくる。
「......偽造の可能性も」
「しないよ!?っていうか犯罪だし!」
確かに俺のようなゴキブリ兼細菌な人間ならまだしも、先輩のような真人間がそんなことする意味がない。
「すみません、てっきり違う学校だと思ってました」
「いえいえ、私こそ...結構目立つ方だから知ってくれているものであるとばかりに思っていました......はずっ」
「けっ、陽キャ自慢かよ」
「ホントその急に辛辣になるのなんなの!?」
冗談はさておき、先輩は超がつくほどの美人だしそう思うのも無理はないだろう。
「すみません、つい発作で」
「あっ、それ持病なんだ!?」
その名は青春嫌悪症候群である。
.......リア充ユルサナイ。
ゼッタイコワス。
「すみませんん。冗談です。実を言うと友達がいなさ過ぎて学校の人の顔と名前なんてほぼ覚えてないんですよね」
「........これからは学校でも仲良くしようね!」
「は、はあ」
「大丈夫...お姉ちゃんに任せてよ!」
「まさかの姉目線!?」
......何だが、物凄い同情されている気がするが施しは大好きなので大歓迎である。
「...それにしても先輩はやっぱりすごいですね。歌うまいし、有名人だし」
ゴキブリ人間の俺とは大違いである。
「まあ、有名って言っても妹のついでなんだけどね」
先ほどとは打って変わり、少し先輩の表情が曇った。
「妹さんも同じ学校なんですね」
「うん!...妹は私かより可愛くて愛嬌があって凄い子なんだよ?」
きっと何か姉妹間であるのだろう。
それはお二人の事情を知らない俺ですら何となく察せられた。
「先輩も俺みたいなクソ野郎からみたら凄いと思いますけどね。カラオケ上手いし、飯奢ってくれるし、ツッコミも上手いですし」
「...それ褒められてるのかな?でも、ありがと!.......嬉しいかも」
先輩は照れ隠しからか乱雑に頭を撫でてきた。
「...今日さ、オフだけどCD買いに行かない?」
この前、先輩が好きと言っていたバンドのニューアルバムが昨日発売だったので、おそらくそれを買いたいのだろう。
「すみません、オフの日は家に引きこもるってきめてるので...」
「...そっか」
「冗談です」
「.......いじわる」
「すみません、コミュ障の悪い所が出ました。放課後、駅前で集合で良いですか?」
結構規模がデカい為、人が多く合流は多少しづらそうだがそこぐらいしか待ち合わせ場所っぽい所がないのだから仕方がない。
まあ、それは俺が孤立目戸塚菌で知識不足な感じも否めないのだが......
「えっ?学校の校門とかでよくない?」
「先輩、俺みたいなヤツといたらいじめられますよ!?あっ、でも戸塚菌だから目視では発見できないかHAHAHAHA」
「だから笑えないよ!?」
「...まあいいや、なら駅前集合で行こ~」
「はい!わかりました」
ということで、俺は先輩は駅前のCDショップに行くことになった。
この時の俺はまさかあんな修羅場が待ち受けているとは思いもしていないのだった。
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