第16話 フランス制圧
三九年のドイツによるポーランド侵攻に対してイギリスとフランスはドイツに宣戦布告。
日本もイギリス側に立って参戦した。
しかし、先の大戦での惨禍、塹壕戦による大勢の死傷者の記憶が癒えない英仏両国は、軍をドイツ国境に集めるだけ。
ドイツへ進撃せず対峙するだけでポーランドを救援しなかった。
開戦したドイツ側も強大な英仏の兵力を撃滅するする手段がなかった。
特に第一次大戦の教訓から建設されたフランスの強力な要塞線マジノライン。
これを突破する能力がないため、手が出せなかった。
双方戦闘を行わずファニーウォー――まやかしの戦争状態となった。
一九四〇年の年明け後も、戦端は開かれず、戦争はそのまま終わるかと思われた。
だが、五月に入りドイツ軍は突如作戦を開始。
先の大戦のように比較的防備が薄い中立国のベルギー、オランダへ侵攻した。
直ぐに英仏軍が反応しベルギー救援に向かったが、それは罠だった。
英仏軍が救援の為にベルギーオランダへ入った直後、ドイツ軍装甲部隊は連合軍が殆ど配備されていないアルデンヌの森へ突進。
英仏軍の後方カレーへ出て行き、ベルギー、オランダをまるごと包囲した。
ノルウェー沖で作戦中だった大和も命令により急行したが、浅い沿岸に接近できず沖合から戦場の一部へ砲撃を加えるのみで戦局を変えられなかった。
包囲された英仏軍はダンケルクへ追い詰められ、命からがら大陸からの脱出に成功した。
大和も連合軍兵士達を内火艇を使い、浜辺から艦内に収容しイギリスに連れ帰ることしか出来なかった。
主力軍を失ったフランスは圧倒的なドイツ軍の前に抵抗できず、国土を蹂躙され、降伏。
国土の北半分がドイツの直接統治、南半分が親独政権ヴィシーフランスによって統治される事となった。
フランス本国は陥落して終了した。
だが問題となったのは、フランス海軍とフランスの海外植民地だった。
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