第60話 パテラ

 その爺は首都メルカッドからチヒロのスカウトでやって来た。




「わしの名前はパテラ。魔法使いじゃ。雷魔法を扱うぞ。わしと契約したいなら、月に金貨200枚だせ」


 


 とても偉そうな爺だった。




「まずは腕を見せて貰おうか。金貨200枚を豪語するとは相当な魔法を使うとみた」


 


 俺は言った。




「よかろう、ここでは危険じゃから、その辺の森にでも行くか」




 ということで、その辺の森に到着した。




「よし、見せてやろう、わしの雷魔法号雷を」




そう言うとパテラは手に持った杖を高々と頭上に掲げた。




「バリバリバリ、ズシャン」


 


 轟音が鳴ったかと思うと10m先の巨木に凄まじい閃光の雷が落ちた。


 雷が命中した巨木は真っ二つに割れている。


 周囲もバチバチと雷気が充満している。


 今、近づいたらビリビリに痺れるだろうね、これは。




「どうじゃ、わしはこれを連続で5発撃てる。休憩すればまた5発じゃ」


 


 パテラは自慢気な顔で言った。


 


 破壊力は確認した。命中力もある。集団戦にはもってこいの魔法だ。




「分かったよ、特別に金貨190枚で手をうとうじゃないか。こんな高待遇あんただけだよ」




 俺はしょうがないな感を醸し出しながら言った。


 


「駄目じゃ、200枚じゃ、いや今の発言にムカついたから210枚じゃな。孫のパロポロに金も送らねばならんし。魔法使いなめとったらアカンぞ。頭の中、魔法方程式のことばっか考えてるなんてことはないわい。金勘定も得意じゃ」




「まさかのクッコロ逆バージョンかいぃぃー」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺の異世界転移〜与えられたのは佃煮海苔魔法だけでした オト @oto3254

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ