第32話 祠を探せ
「マシュー君、祠ってこの村とか付近にある?」
狩猟に一息ついた時、俺はマシュー君に訊ねた。
「なんですか。また急に祠だなんて。記憶戻ったんですか?それともまた僕に隠れて何か企んでるんじゃないでしょうね」
マシュー君は猜疑心に満ちた顔で言った。
「企んではないよ。もうマシュー君に踊らされるのはまっぴらごめんだ。記憶がさ、少し戻ったんだよ。どうも祠に行けば俺もっと強くなれるかもしれないんだ」
俺は海苔の精霊の言葉を思い出しながら言った。
「そうですか。うーん、祠ですか。すいません。僕にはちょっと思い当たる節がありませんね。バルガスさんに聞いてみたらどうです。バルガスさんはこの村に詳しいですから」
「祠か。祠なら山の滝付近にあるな。俺が子供の頃は祠の掃除とかしてたんだが、今じゃほったらかしだ。なんだ祠に用でもあんのか?」
バルガスは言った。
流石、バルガス。そのハゲ頭から後光が差しているよ。
「バルガスさん、ぜひ、その祠に案内して」
俺は手を合わせながら言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます