決して多い文章量ではないが、この作品を書き上げる為には多大な労力が必要だったに違いない。この作品を書き切るには、個人の業と、人類全体が背負っている業に向き合い、考えねばならなかったハズだから。
そして、重い話だが、読後感は悪くない。爽快とまで言う事は出来ないが、お酒に弱い人間が本当に美味い度数の高い酒を飲んだ時のような、喉の熱さとどっしりとした香りが鼻に抜けるような、そんな体験が心の中で出来る……そんな作品です。
ポール・ジローというコニャックを飲みながら読んでもらえたら最高かな、なんて思います。