邂逅......

 音を立てながら崩れるビル。粉塵が舞う中、二つの影が勢い良く飛び出す。『最強』と『最恐』である。お互いに平行線上の方向に飛びだし、お互いの姿を確認したとたんに攻撃を再開する。光弾とオーラが混ざり合い、飛び合う。拳、蹴り、回し蹴り、ガードと近接の攻防が激しく変わり合う。ぶつかり合った衝撃で周りの物が壊れ、その範囲により戦闘の結界が張られてるかのように周囲が崩れていく。


 大きく左脚での回し蹴りを入れ、それをガードする。その状態で膠着する。

 「・・・・そろそろギブアップしたら?」

 「まだまだ!これからだろう?今からが本番」

 そう言うと、腕に力が集まって蹴りをほどき、威力を上げた光線が襲ってくる。何とかガードの体勢で受けて、振り払う。

 「相変わらず、おかしいわ」

 「お互いさまでしょ」

 お互いに言い合い、次の衝突のために足に力を入れたころ。二人は同時に同じ方向を見る。その方向からは衝撃波が飛んできた。

 二人は後ろに下がりそれぞれに避ける。放たれた方向には、一人の男が浮かんでいた。

 「・・・あ?誰だ?巻き込まれたくなかったら、どっかいけ」

 「・・・・」

 二人は厳しい視線を送るが、相手は臆することなくどかない。藤井朱音はその時、別のことを考えていた。

 (・・・あいつも、感じてるとは思うけど変な気配なんだよね。しかも、初めて見る顔?・・・参加者じゃない!!)

 「景――――」

 朱音がなにか言おうとするが、言い切る前に浮いてる男に攻撃が炸裂する。だが、その男は防いでいた。

 二人の間に降りてくる男。

 「初めまして、の名を持つお二人さん」

 仰々しく手を動かし、ペコリと頭を下げる男。

 「何者?侵入者でしょ」

 「さすが、『最強』!!お気づきですか!!」

 大きく手をたたき、わざとらしく発言する相手。そして、

 「そうですね、”さいきょう”の称号をもらいに来た、でどうでしょう?」

と笑いながら言ってきた。


 戦闘が再開される。先ほどと違うのは、人が一人増え2対1状態であること。衝撃と破壊、拳圧が飛び合い、近接で火花を散らす。

 さすがにヤバイ。戦闘が始まってそんなに経っていないが、そう感じる。長引くとマジでヤバイと感じる、というよりも直感が告げてくる。浮いたりしているが、『最恐』は体の各所に力を蓄え攻撃、もしくは光弾で攻めてくる。直撃は避けないといけないし、能力的につかまるのはまずい。『最強』は『最強』で体に力をこめながら攻撃してくる。振う拳の勢いで対抗してる面もある。・・・普通に考えるとおかしくね。知ってはいる、知ってはいたが目の前にするとまた違う。衝撃波、軽い念力、人型での攻撃様々で対抗する。最初は戸惑いを見せていた二人だったが、慣れてきたのか相殺される回数が増えてきた。何とか均衡を保っている状態だ。というより押されている。これで、おそらく全力ではないだろう。恐ろしい。何より、『最強』の相殺方法が近接なのはおかしいと思う。

 浮いて回転しながらも攻撃をさばき、それぞれに攻撃を仕掛け防御している。感覚もおかしく感じはじめる。目が回る、やばい、はっははは。目まぐるしい。こちらが隙を見せたら終わりなのである。そして、二人共隙ができない。・・・奥の手出さないといけないか...


 こいつ、言うほどあるのかもしれない。二人でやればそこまで持たないだろうと予想していた。だが、微妙に攻撃の軌道をそらして重大なダメージをそらすのだ。念力か?だが、それ以外の能力も感じる。何かに腕をひっぱられたりするが、何とか振り切り対応することはできている。・・・体の周りにも何か張ってるのを感じるし、周りに何か出しているのも感じる。

 ・・・・景の方に持っていくか。攻撃を仕掛けながら考える。相手がどちらも警戒してるが、景の方が警戒されているように感じる。景の能力的に嫌なのかもしれない。こちらはこちらで。きっと、あっちも気づいてるだろう。


 思ったよりもしぶといな。派手な攻撃と地味な攻撃を混ぜているが、危険察知が優れているのか直撃だけは避けられている。あいつの見えない攻撃は感じるし、人型のものにも対抗できるのでいい。ただ、この均衡を崩せないときついな。相手はなるべく俺たちの好きにさせないように動いてるように感じる。確かに、隙があれば大きな攻撃を朱音ごと当てればいい。朱音なら何とか避けるだろうし。時間がかかればこちらが有利になるだろうが、何か言い表せないやばさを直感的に感じる。

 ・・・さてと、やりますか。

 

 方向性を決め、動き出す3人。均衡は徐々に崩れていく。乱入者が押されてきてるのである。吹き飛ばそうとしても、その場に耐えられ、攻撃で身を守ってる物ごと押される。どちらか一方に意識を裂けば、その隙をもう一方が見逃さずに仕掛けてくる。『最恐』の攻撃の直撃を避けようと行動すると『最強』の攻撃に防壁ごと押され、体勢が傾く。こちらの攻撃は避けられか、相殺される。浮いて逃れようとするが、『最強』の鋭い目線は逃さず素早く動き、かかと落としで身を守るバリアごと下に落とされる。

 やべぇ、そろそろ攻撃が届く―――――

 そして、その隙を見て景は距離をとる。景の行動を視界に入れ、直ぐに意識をさかせないために攻撃の手数を増やす。相手は周りのがれきも飛ばしてくる。別の何かが迫ってくる気配もする。薙ぎ払い、手数、速さとともに上げていく。相手を置いていくかのように。敵もあせってきているように感じていた。表情に余裕がなくなってきているから。

 体が震える。すごい力の流れを感じるのだ。

 私たちの背後で力を両手に溜めてる景がいた。周囲の空気が震え、空に雲がかかり、どんどんと暗くなっていく。

 「いくぞ」

 景は短くそう言うと、両手を前に突き出しそれを放った。それは、先ほどの光弾とは違う光線、いや砲撃といえるほどのエネルギーの放出。光線は周囲に黒、紫、赤い電流を纏わせ大きく、勢い良く発射された。先程とは段違いの威力、上を通った地面を削りながら迫ってくる。

 逃げようとするがそれを『最強』が許さない。

 「さぁ、一緒に受けようぜ。あの、やばいの!」

といい笑顔で言ってくる。このやろう!!

くそっ!!砲撃を邪魔するように力を使う――――


 土煙が舞い、地面に焦げた跡が残り、焦げ臭い匂いがその場に漂っていた。

 「おーいい。生きてるか」

 笑いながら、歩いてくる東雲景。だが、周囲から返事はない。うーん、死んだか。そんなに威力出したかな。

 「逝った?」

 「生きとるわ!」

ガラッとがれきから急に出てくる。

 「おー、まぁ無事だよなー」

 「しっかりダメージくらったわ」

 そう言いながら、腕をまわしている。それぐらいで済んでるんだからやっぱり規格外だよ。

 反対方向からもガラガラという音と共に立ってきた。

 「お前も規格外かよ」

 「どう見たらそうなるんだよ。こっちはボロボロだよ。・・・・お前ら全員

 そう言いながら、ふっらとしながら動いている。

 本当に運がよかった。何とか拘束を振りほどいてガードに入れた。その最中にお互いが左右に吹っ飛び地面に倒れ瓦礫の下敷きである。だが、無事ではない。ダメージはしっかり入っている。はははっは。もっと楽に倒せたらと思ったがしょうがない。こいつら相手に無傷なんて考えは甘いのだ。・・・は壊れてないか。なら、まだやれる。

 

 不気味な雰囲気で立っている。何かが吹っ切れたように見える。さて、ここからどうることやら。今でも強いこいつのギアが上がったら。。。。そう不安に思いながら、相手を見ると、あいつは不気味に顔を下に向けながら笑っている。怖い。

 「もう、あきらめろよ」

 「いや、まだまだこれからでしょ」

 「はぁー、1対1でも勝てないだろ?」

 「えぇ、ええ。でもいいでしょ、2対1で十分ですよ」

 彼は開き直ったようなテンションで話し続け、手を広げる。それを合図に火の玉が出現し襲ってくる。色は青白く、一つ一つは小さいが大きさに均一さはなく揺らめいている。それぞれ対処するがいつの間にか近くに接近し、爆発する。


 くっ、吹き飛ばされた。爆発と衝撃が襲ってくる。あいつは、高笑いを上げながら火の玉、漫画で見るような人型の簡易式神、そしてもっと人型に近い薄黒い個体を生み出して襲わせてくる。

 迎撃対応をとるが、相手だって攻勢の態度をとる。

 能力で対応できる。物理攻撃が効かないものがいる時はどうしようかと思ったが能力を使用したうえならばどうにかなった。これなら、朱音の方は問題ないだろう。こちらは、威力を高めにしないとは黒いのはどうにもならない。性質が厄介でしょうがない。


 その場に、激闘の音が響く。速い攻撃の空を切る音に爆発音。地面を削り目標に迫る音。そして、敵は雰囲気が先ほどとは打って変わったようにふらふらっとしながらも場を制するように動く。朱音だけが本人に近づき攻撃を仕掛ける。『最強』の近接攻撃も片手で受け止め、返す。お互いの攻防が続く。直接捕まえようとする『最強』。それを紙一重で避けながら、攻撃を避けようとする相手。

 『最恐』の方は、能力で生み出された者達が邪魔をする。蹴散らしていくが集まると手強い。それぞれの個体が同じ種類どうしで集まり集合体になる。黒は力も強まり、火の玉は威力が上がる。拳と拳がぶつかっただけで周りに風が吹く。


 彼の方に力の流れが集まっているのを感じる。両手で何かを包むように、集中している。肌がヒリヒリと震え、完成させたらヤバイと告げてくる。そう感じ近付こうとするが、異能の邪魔が入る。

 ・・・掌の中には周囲が深い赤色の数多くの火の玉が集まり凝縮していく。手のひらが怪しく輝き、そして外に放たれた――


 周りに暴風のように吹き荒れ、こちらに迫ってくる。巨大な竜巻に火の玉が風の流れに沿って流れている。

 風の中に巻き込まれて、火の玉は当たるとはじけ、爆発の衝撃が襲ってくる。風圧と爆破の衝撃に耐えるために、踏ん張り、踏ん張り続ける。吹き終わり、周囲には舞い上がった瓦礫や土が落ちる。吹き終わると同時に中心いたあいつに向け両隣から、藤井朱音、東雲景の両者が迫る。

 拳、蹴りが届きそうになった時、異変を感じた。

 ((????!!!!))

 そして、かざされた振り抜かれた手により、二人共吹っ飛ぶ。

 景が顔を上げ、体勢を整えようとすると、目の前にあいつがいた。鋭い膝蹴りが腹に入る。そして、裏拳で殴られ体勢を崩すが、反撃する。それを軽々と避ける。作り出した、黒い奴も迫る。腕を振りかざし能力を使って対抗しようとするが、異能が発動せずにただ攻撃が当たりその場から吹き飛ばされる。

 そして、もう一方でも違和感が出ていた。朱音の方にも能力で作り出された奴らが迫ってくる。そいつらは同じ色で混ざりあう。強くなったことを肌で感じ、能力を早め攻勢に出る。だが、こちらの攻撃は通り抜け、当たってもその場にとどまり、びくともしなかった――――


 おびただしい攻撃が二人を襲う。重大なダメージを負わないように避け続けるしかできない。

 「はははっはは。さぁさぁ、逃げろ逃げろ!」

 テンションを上げて攻めてくる敵。攻撃を避けながらも違和感は消えない。二人は何とか近づくが弾き飛ばされる。

 二人はお互いに顔を見合わせながら、不思議そうな顔しながら自分の身体をみる。

 「・・・おい、何をしたお前」

 「何って言われても?」

 景も気づいてる。やっぱり、使


 「・・・本当は、そのまま倒せたらよかったんですよ。でも、倒しきるにはこれを使うしかなかったんですよ」

と怪しく目が光りながら、はっきりと断言する。

 「まぁ、このままやられてください。目的のための礎として」



 「ん?」

 目を覚ます。体を起き上がらせ周囲を見渡すが、誰もいなくて瓦礫が転がるだけだった。上には服が包み込むように掛けてあった。・・・何があったっけ。・・・そうだ。御剣さんと戦闘に入って、、、、負けたのか。運んでくれたのか。優しいな、と思いながら周りを確認する。なにがどうなってるのやら。遠くの方で大きな音が響いてくる。本当に何が起きてるのか。早く現状を確認しなければ――――――

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