戦闘開始!!
試験当日になった。今僕たちは本部の近くのある場所に移動していた。
近くと言っても、本部の施設の一部といってもいいかもしれない。ただ、規模が違う。
本部には街がある。これは、比喩でも何でもない。付近の街、それ以外にも本部がある街に隣り合うように、町がいくつかある。普通に人が住んでいるところもあるが、実験都市という名前の都市もいくつかある。
今回の会場もその一つ。実験都市”エリア”である。一番大きい都市であり、ビル街に住宅街などが再現してある。そして、実験都市と名の付く都市は下からは薄くしか見えない膜のようなものでドーム状に囲まれている。これは何があっても周辺に影響を与えないための、防壁である。半分以上は、透明であるため日の光も通すため日光も入り時間の変化まで自然とわかる。本当に街である。
簡単な説明を受けて、扉を通り都市の中に入る。そして割り振られた場所まで移動し開始時間まで待つ。今回スタート場所は全員バラバラでランダムに振り分けられた場所からのスタートとなり、試験開始時に放送が鳴り、そこからスタートの合図になる。
ルールは単純。相手を殺さず、降参したら負け。もし、暴走、止める必要ありと判断されたら能力を止められることになっている。参加者は腕輪を付けられていて、これが異能を止めるための装置らしい。仕組みは知らないがこれで止めれるらしい。存在は簡単には知っていたがこのような装置を開発してるなんて、すごいというか恐ろしいというべきか。
スタート位置に着く。ぼくたちに割り振られた場所は、住宅街であった。その中でも近くに、ビル郡がある。そこで、スタートを待つ。舞っている間に気になっていることを聞いてみる。
「・・・師匠は、他の参加者について知ってるんですよね?」
「知ってるよ。長い仲になるのもいるね」
そうなのか。僕自身は今回の参加者全員とは関わりがない。やはり、知ってる人達と戦うなんて、複雑だろうか。
「・・・やっぱり戦いたくないですよね」
「ん?いや」
「・・・え?」
「いや、そんなことないよ」
とあっけらかんと言ってきた。その態度に驚きを覚える。僕は、どこかおかしなことを聞いただろうか。
「えーと、気まずいとか、やりずらいとか....」
「そうだねー」
といって、考えるしぐさをしてそんなに時間が経たずに言う。
「そうでもないな」
はっきりと言った。えー。考えたふりしてそれー。
「元々、知っているとして遠慮する間柄でもないし、「力比べしようぜー」や、「ぜってぇ勝つ」とかいう関係だし。・・・・・ただ、戦い方を知ってる者同士やりづらいところはあるな」
と気づいたように目を見開いて言う師匠。そんなものなのか。まぁ、関係は人によるし、この人達にとってはいい関係を築いてるんだろう。
ガー、ガーと取り付けられているスピーカ―から音がし始める。そして、
『えー、マイクテスト、マイクテスト。・・・聞こえてますかー』
と流れ出す。いや、誰が答えれるんだ。
『えー、それでは始めたいと思います。皆さん死なないようにがんばりましょう!!』
と放送が流れる。そして、
『スターーーート!!!!!!』
と気合が入った声と共にパンッという音が聞こえる。
え、始まった?ぬるっと始まり・・・・
「よし、いくぞ!和!気合い入れろー」
「え?あ、はい!」
声をかけられて、気を引き締め直した途端、近くから何か爆発し。粉塵が舞いガラガラと建物が壊れる破壊音と瓦礫が落ちる音が同時に聞こえた。
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