07:登場人物の作り込み方【あくまでも八壁流】

 おはよーございます、八壁ゆかりです。

 何だかこの連載、「創作論」カテゴリで結構な順位にランクインしたので非常に嬉しく思います。こんなちんけな物書きの戯れ言ではございますが、何らかの形で皆さまのお役に立っているのならこれ幸い也。


 で、今日のお題はキャラクター・デベロップメント、日本語で言うところの「登場人物の展開」、ざっくばらんに言えば「キャラ設定」です。

 毎度毎度同じことを書きますが、これはあくまでも八壁ゆかりスタイルのものですから、鵜呑みにせず、もしヒントになる箇所があればそこだけパクろーくらいの気持ちで読んでいただければと思います。


 さて。


 私の場合、大抵はニックネームか氏名から決めます。

 ネタ帳の見開き1ページに、以下の要素を書きます(主人公と重要人物のみ)。


・氏名(ニックネーム、あだ名など)

・年齢、誕生日

・身長と体重

・血液型

・顔立ちのイメージ

・髪型

・視力(メガネをするか否か、コンタクトか否か)

・喫煙者か否か(喫煙者なら銘柄も)

・劇的欲求(以前にも出た単語ですが、追々説明いたします)

・社会的ステイタス(無職かフリーターか社会人か、等々)

・コミュニケーション能力(友人がいるか、少ないか多いか等)

・アルコールを好むか

・ファッションに気を遣うか(もしそうならどんなファッションを好むか)

・思想

・趣味 等々


 多分これだけで左1ページが埋まります。

 で、残った右1ページに『生育歴』を書きます。


『生育歴』は、私は産まれた時の体重から決め、家族のメンバーや彼らがどういった性格か、どのように躾をされたか、幼稚園・保育園ではどのような振る舞いだったか、小学校は公立だったか私立だったか、成績はどうだったか、運動は得意か苦手か、といったことを、箇条書きではなく文章で書きます。


 個人的な話ですが、私は中学受験をして私立の中高一貫校に入り、その上ニューヨークの大学に行ったので、公立の中学や、高校受験・大学受験、日本の大学生活があまり書けません。

 日本の大学生活がちょろっと入る小説では、応募した新人賞の最終選考で「大学の描写が薄味」と、見事に見破られてぶった切られました。


 また、私は社会人経験もありません。バイトはしてましたが、最長が五ヶ月、最短三時間で辞めているので、いわゆる『労働』シーンですとか、『一般的な日本人の社会人の等身大の姿』みたいなものが、イメージでしか書けない、という弱点があります(※八壁は相当アメリカナイズドされております)。


 ですから、なるべくそういった設定を避けたり、あるいは「パパでき」のように、高校を舞台にしていても高校生活に重きを置かない、といった手法で話を作っています。


 キャラ設定に戻りますと、私は基本、産まれた時から「小説が始まる現在」まで設定します。必要があれば、その登場人物の年表も書きます。マインドマップもあるといいですよ。


 無駄話が長くなりましたが、最後に「劇的欲求」について、簡潔に書いておきます。きちんとした説明はまた追って。


「劇的欲求」は、登場人物が、その物語の中で達成したい目標であったりゴールのようなものです。

 これを決めると、一気に展開が浮かぶはずです。

 例えば「世界的なピアニストになりたい!」と夢見る少女が主人公であれば、指を怪我してしまう、といった『邪魔もの=葛藤』が挿入可能で、そこからそれを『努力で乗り越える』というエモい展開が可能になります(我ながら酷い例だ)。恋愛要素を入れたいなら、『いつもリハビリに付き合ってくれる先輩に惹かれていく』的な要素もまた、ぶち込めます(我ながら安直な例だ)。


 この「劇的欲求」は、後々言及する「シド・フィールドの脚本術」という項目で、また他の要素と共に説明するつもりです。よかったら続きも読んでやってくださいね。


 んでは今日はこの辺でどろん。ご拝読ありがとうございました!

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