M3
「まさか、あ、あなたが、……あなたが、『お嬢様』だったの?」
「そうよ」
そいつは笑った。あざけりの笑みを浮かべて。
いったい? いったいこれはどういうことなんだ?
あたしは激しく混乱する。
目の前に立っている女は看護師のナオミだった。
自分でいっておいてなんだが、ナオミが「お嬢様」というのは、どう考えてもおかしくないだろうか?
彼女はいったい何者で、なんの目的でそんなことをする?
「やっぱり、ありえない。……冗談よね、ナオミさん?」
「冗談なものですか」
いや、そんなはずはない。だって、あたしは「お嬢様」の顔を……。
覚えているといいたかったが、思い出そうとすると心もとない。輝く美貌だという記憶はあるが、具体的に目や鼻の形を思い出そうとすると、霧が掛かったようにぼやけてしまうのだ。
あたしは愕然とする。あたしにとって「お嬢様」の外見とは、驚くべき美しい深窓の令嬢という記号でしかなかったのだ。
実在する人物の顔と比較することができない。
しかし、「お嬢様」は妄想でも錯覚でもない。実在する。すくなくとも目の前のナオミはそういっている。
「じゃあ、……なんで、なんでこんなことをする……、いえ、してきたのよ?」
もし、ほんとうにナオミが「お嬢様」だとすると、彼女はあたしに猪股、羽田だけでなく、あの事件と無関係の人間を複数殺させたことになる。そんなことをして、いったいなんのメリットがあるというのだ?
「なんでって、復讐に決まってるじゃないの」
「復讐?」
いったいなにに対する?
「そもそも、この地下室は? どうしてこんなものがあるの? さらには指令書を送りこむあの仕掛けとか、盗聴器とか、いったい……」
「じゃあ、わかりやすく説明してあげる」
ナオミは薄ら笑いを浮かべた。
「まず、この家は、あなたを殺し屋に仕立てるために建てられた」
「なんですって?」
そんな……馬鹿な。
ここは、あの事件に耐えられなくなったあたしと母が、加害者、ルーシー・ミラーの親が払った慰謝料で買い取った家のはず。それがどうして……。
「正確には、改築した。あなたのために」
「意味が、……意味がわからない」
「地下室はもともとあったんだけど、入り口には蓋をして、ぱっと見にはわからなくした。さらには壁に仕掛けをしたり、家のあちこちに盗聴器や隠しカメラ、スピーカーを仕掛けたり。たいした手間は掛からなかった」
「家のあちこちに?」
「そう、それこそ家中の至るところにね」
なんてこと。ナオミが仕掛けたのはあたしの部屋だけじゃなかった。それに……。
「……それにスピーカーですって?」
いったいなぜ、そんなものが……。
ナオミがなぜかいきなり背を向けた。
「ナオミさん?」
『マリア、まだわからないの?』
「アリス?」
後からアリスに声をかけられた。またしてもアリスの存在を忘れていた。
アリスは足を地に付け、てくてくとナオミのほうに歩いていく。
『マリアはあたしのことを亡霊だと思っていた? ほんとは幻覚だって思ってたでしょ?』
それはそうだった。その程度の理性はあるつもりだ。
『でも、それは半分しか当たってないの』
「半分? つまり半分は幽霊だっていいたいの?」
『そうじゃない。半分は幻覚ってこと。あたしの姿が見えるのは、たしかに幻覚。それにまちがいない。でも声は……』
「声は?」
幻聴じゃないとでもいいたいのか?
「そう。声はちがうのよ」
ナオミがふり返った。その手にはマイクが握られている。
「え?」
今、ふたりの声が被ったような気がした。
『まだわからないの、マリア? あたしの声は幻聴なんかじゃない』
「まだわからないの、マリア? あたしの声は幻聴なんかじゃない」
そういった瞬間、アリスの姿がナオミにかぶさった。まさにふたりがひとりになるように、というより、アリスがナオミに吸収されかのように見えた。
「ま、……まさかっ!」
あたしは頭を殴られたような衝撃を感じた。
アリスはナオミだった。そしてナオミは「お嬢様」。つまりアリスとは「お嬢様」と同一人物だったのだ。
たしかにそういわれれば思いあたることもある。なぜか、アリスは「お嬢様」の考えてることがわかった。あたしの無意識の考えが、幻覚になって代弁していると思いこんでいたのに。
「じゃ、じゃあ、アリスの声は隠しスピーカーを通じてあなたが出していたっていうの? あたしの声を盗聴器から盗み聞きしながらっ!」
「そうよ」
「じゃ、じゃあ、アリスの姿は? 幻覚だっていうけど、……いったいどうやったらそんなものを自由自在に見せられるっていうのよ?」
「マリア。あなたはここに閉じこめられたのは、殺し屋としての技能をたたき込まれるためと思ってるでしょう? でも、それだけじゃない。むしろそれはおまけ、ほんとうの目的は洗脳するためよ」
「洗脳ですって?」
「そう。人間の人格や思想を作り替えてしまう作業よ。カルト宗教やテロ組織、極左、軍なんかではよく使われる」
あまりに突拍子もないことで、どう反応していいかわからない。
「方法はいろいろある。でも数ヶ月も拉致監禁することができれば、たいていのことはできるわ。たとえば眠らせない。苦痛を与え続ける。ひたすら単純作業を休息なしで続けさせる。ひたすら同じ言葉を繰りかえし聞かせる。あるいは五感を遮断する。そうなると脳はまともな判断力がなくなるのよ。そういう状態では既製の価値観は簡単にくずせる。そこにあたらしい価値観を吹き込むの。カルト宗教とかがよくやる手よ。あたしはそれ以外に、クスリと催眠も使った。それも時間を掛けて何度も何度も。毎日毎日くり返し。なにせ時間はたっぷり使えるんだから」
そ、そんなことをされれば、まちがいなく頭がおかしくなりそうだ。……だから、あたしは頭がおかしいのか?
「アリスが見えるのは催眠。それはもう何度も何度も掛けさせてもらったわ。心の奥底に染みつくまでね。血まみれのアリスの写真をつきつけて」
さ、催眠ですって?
「後催眠ってやつよ。アリスが現れるとき、きまって同じ音がするでしょう。びしっ、びしっていうなにかが砕けるような音。あれが合図。あの音が聞こえると、あなたの前にはアリスが現れる。そういうふうに暗示をかけたの。もっとも、しゃべってるのはあたしだけどね。あなたはそれをアリスの言葉として受け取る」
「そ、そんな、馬鹿なっ! だって、アリスは学校の教室にだって出たんだし」
「それはあなたが作り出したほんとの妄想よ。一度こっちでアリスの亡霊の演出をしたおかげで、あなたは勝手にそういう妄想をするようになった。まさに妄想に取り憑かれてしまった。きっと心に不安を抱えたとき、アリスの幻覚が現れ、警告したのね。たぶんそういうことは一度や二度ではないはずよ。こっちの工作とは無関係に、あなたは勝手にアリスの亡霊を召喚して怯えていたんだわ」
そ、そんな……馬鹿な。
「信じられない? でもこんなのは序の口よ。これくらいでまいってたら、真実を知ったとき、あなたの精神は耐えられるかしら?」
ナオミが笑う。侮蔑の表情を浮かべて。
「つ、つまり、あなたはあたしを洗脳して、冷酷な殺人鬼に変えてしまった。アリスの亡霊が見えるようなおまけつきで。……そうなのね?」
「そこまでは受け入れる気になった?」
そんなことをされた記憶はまったくない。だけど、真実なんだろう。そんなことをされたからこそ、あたしはこうなってしまったんだ。そう考えれば、むしろ納得がいった。
「ええ、たぶんそういうことがあったんでしょう。だけど、なにが目的なの? あたしをそんなふうにしてあなたはなにがしたいのよっ!」
そもそも、……そもそも、こいつはいったい誰なんだ?
「洗脳はたしかに思想も人格も変えられる。でも突き詰めればもっとすごいこともできるの。たとえば、もっと限界まで脳を痛めつけて、新たなデータを書き入れる。そうすればね、記憶を書き換えることができる」
「記憶を……書き換える?」
いったい、……いったい、こいつはなにをいいだすんだ?
本能的に、それがわかる。だから怖い。でもそれがなんなのかわからない。
「あなたはあの事件以前の記憶が曖昧なはずよ。断片的な記憶はいくつもあるけど、思い出せないことも多い。あなたはそれが事件によるトラウマのためと思ってるようだけど、ちがうの。記憶を書き換えたからよ。書き換えたといっても、さすがに十数年分の記憶をすべて埋め込むなんてできない。だからどうしても断片的にしか思い出せない。その間の記憶が飛んでいる」
ナオミが笑った。悪魔的な笑みだ。
なに? なんなの?
全身が震える。寒い。凍えそうだ。
こつこつこつという足音が、ふいに聞こえた。それが階段を下りてくる音だと気づくのにすこし時間が掛かった。
扉がゆっくりと開く。
そこから現れたのは母だった。しかし車いすではなく、両足で立っている。しっかりと。
「マリア、そろそろクライマックスってやつかね?」
母は聞いた。すごく楽しそうな顔で。
ただし、それはあたしではなく、ナオミに向けられた言葉だった。
「ええ、お母さん、たぶんこいつ気が狂うよ。発狂の瞬間を見れるかも」
ふたりは顔を見つめて笑いあった。
なにを……なにをいいだすんだ、このふたりは?
「もう、わかったでしょう?」
ナオミはにやにやと笑いながらいう。
「……な、なにが、なにがわかったっていうのよっ!」
「わからない? ほんとうにわからないの?」
「馬鹿だ。こいつほんとうに馬鹿だ」
母が笑う。あたしを指さし、軽蔑の表情を浮かべたままで。
そのときわかった。この女は「おばさん」だ。「お嬢様」といっしょになったあたしをここに監禁した女、「おばさん」。
ナオミが軽蔑しきった顔で断言した。
「あたしこそが本物のマリア。いいかげんにわかりなさいよ」
「あなたがマリア? そ、そんな馬鹿げたことを信じるわけがないでしょう。じゃあ、あたしは誰だっていうのよ?」
あたしはナオミに食ってかかった。
「決まってるじゃない。あんたはルーシー・ミラー」
「な? なにを馬鹿なことをいってるの? ありえない! あたしがルーシー・ミラー?」
あたしは必死だった。
「ルーシーはあたしが殺したのよ。蹴飛ばして、ガラスのテーブルの破片で首を切って。それがきっかけで……」
あいつはマンションに呼び込んで、あんなビデオを見せた。そればかりか薬を盛って……。
「うふふ。あなたはこういいたいんでしょう? ルーシーにマンションの一室で、アリスや父が殺される映像を見せられた。さらに薬で動けなくなったのをいいことに、レイプされそうになった。だから、必死で抵抗して殺した」
「そ、そうよ。そうしたら、目をさましたとき、『お嬢様』が現れて、死体処理を条件に……」
そこまでいって、おかしいと気づいた。
「へえ、あたしがそこに現れたんだ」
「お嬢様」がおかしそうにいう。
今、目の前にいるこの女が話を持ちかけた? 死体を処理するかわりに、殺し屋になれと?
ちがう。なにかちがう。じゃあ、いったいなにが真実だと?
「あたしがルーシー、つまりあなたを蹴飛ばし、ガラスのテーブルにたたきつけたまではほんとう。だけど、あなたは死ななかった。すこし血を流して意識を失っただけ。でもあたしは死んだと思って途方に暮れた。だけど、そこに『お嬢様』が現れて、助けてくれたりはしない。現実のことなんだから。あたしは自分でなんとかするしかなかった。だから……」
「……だから?」
「あなたを詰め込んだのよ。あの部屋で見つけた旅行用のキャリーバッグにね。そしてそれを自宅に運んだ。だって、あたしがあの部屋に入ったのはいろんな人が知ってる。マンションの途中でも誰かに見られてるし、タクシーの運転手も顔を覚えてるかもしれない。そもそもあたしが放課後、ルーシーに声をかけられていっしょに学校を出たのを、何人もの生徒が知っている。だから、あそこでルーシーの死体が出たら困る。あたしがやったって、すぐにばれてしまう。だから、死体を隠すしかなかったのよ」
「で、でも、生きてたんでしょう?」
この女の話を信じるなら、あたしは生きていた。というか、今も生きている。
「そう。家に帰ってから目覚めた。もちろん、死ぬほどびっくりしたけど、今さらなかったことにできない。だって、あたしのやったことは誘拐だから」
「なにをいってるの? もしあなたのいうことがほんとうなら、そのまま警察に突き出せばいいじゃない。だって、先に拉致しようとしたのはあたしなんだから。そもそも家を襲って家族を殺した犯人なんだから」
「もちろん、そうも考えた。だけど、あたしはもう弾けてた。あなたが許せなかったのよ。たまたま生きてたけど、もう一度殺そうかと考えた。でも……」
「あたしがいったんだよ、引っ越し先の新しい家には地下室もあるから、そこに監禁して洗脳しようって」
母、いや、「おばさん」がいう。さもおかしそうに。
「精神科医のあたしにはそういう知識はあったからね。というか、虚偽記憶を植え付けることはあたしが長年追求したテーマ。とうぜんかなり研究した。時間は無限にあるんだからどうとでもなると思った」
「それを聞いて、あたしはプランが浮かんだ。あなたの頭にあたしの記憶を埋め込んで、復讐鬼に仕立て上げ、仲間を殺させる。そしてぜんぶ終わったとき、すべてを話してやろうって」
あたしは目の前の女の気迫に押されている。ほんとうなのかもしれない。ほんとうなのかも……。
「じゃ、じゃあ、……木下とかを殺させたのは?」
「決まってるじゃない。あいつらは赤井秀朗の手下だった。それだけで許すことはできない」
「赤井。名前は何度も出てくるけど、いったいそいつは何者なの?」
「忘れたの? ルーシー、あんたもあいつの手下だったじゃない。猪股や羽田もそうだけどね。あたしの家族を殺したときだって、あんたの背後にはあいつがいた。あんた、あいつに煽られてあんなことをしたのよ!」
なんだって? はっきりいってまったく記憶にない。それが事実なら、あたしはほんとうに記憶を塗り替えられてしまったのだ。
「動機に関してはもういいでしょう? それより、その後、あなたになにが起こったのか話してあげる」
あたしに起こったこと。……いったいなにが……。
「あなたはしばらくの間はあたしの部屋で監禁した。縛って、猿ぐつわして、ばれないように拷問を続けた。引っ越しの際も、スーツケースに入れてあたしが手で運んだ。あとは新居の地下室に監禁。そっからは覚えてる?」
「ト、トレーニングを……」
「そう、殺しのトレーニングをね。でもその前に洗脳がおこなわれた。徹底的にね」
洗脳……洗脳……洗脳。
「まずは徹底した虐待。肉体的にも精神的にも追いつめた。寝かせない。休ませない。意味のないくり返し作業を延々とさせ、理性的な判断力を奪った。理性を麻痺させるクスリも使った。その上でアリスの惨殺されたビデオを拡大して見させる。ディルドウを使ってレイプもした。刃物で脅した。とにかく、アリスがどんな気持ちで死んでいったのかを思い知らせた。それを延々とくり返すうち、あなたは現実逃避した。自分がアリスを殺したことを認めなくなった。心が拒否しだしたのよ」
「お嬢様」は、……いや、もうはっきりいおう、マリアはそういって笑った。
「つまりあなたはルーシー・ミラーである自分を拒否しだした。今さらながら自分のやったことに怯え、同時にだからこそ負う拷問に耐えきれなくなった。そんなとき、ささやいてあげたの。あなたはほんとうはルーシー・ミラーなどではなく、マリアだと。ルーシーだという記憶は、悪意を持って植え付けられた虚偽記憶だと。あなたはそれを受け入れた。それが楽だから。地獄から逃げられるならアイデンティティなど邪魔なだけ。あとは簡単だった」
そういえば、そんなこともあったような……気がする。
「自分がマリアであることを受け入れると、ルーシーとしての記憶は消えた。そしてマリアの記憶をどんどん吸収していく。もちろん、あたしが催眠暗示の際に教えたんだけどね。同時に猪股、羽田に対する憎しみも植え付ける。とうぜんよね、あたしになるんだから」
「う、嘘よ。信じかけたけど、よく考えればそんなことできるわけがない。偽の記憶を植え付けるなんて……」
「ふん、あんたのつまらない常識で判断するんじゃないよ」
口をはさんできたのは「おばさん」だった。
「いいかい。かつてアメリカ全土でじっさいありもしなかった父親の性的虐待を語る女たちが現れた。彼女たちは、虐待があったにちがいないと固く信じているカウンセラーの誘導的なカウンセリングによって、偽の記憶を作り出してしまったんだよ。自分の父親が性的虐待をしていたという信じがたい偽の記憶を。カウンセラーはべつに洗脳しようとしたわけじゃない。たんにまちがった方向に誘導してしまっただけさ。それも定期的なカウンセリングだけで。人間の記憶なんて、そんなあやふやなものなんだよ。嘘が上書きされてしまうと、もう真実を思い出すことができなくなる」
そ、そんな馬鹿な……。
「あたしたちがやったのはそんな生やさしいものじゃなかった。明確な意図があり、記憶をねじ曲げたのさ。それも監禁して時間を掛け、徹底的に」
ここ数年間、実の母親と信じてきた女が笑う。狂気に満ちた顔で。
「アリスの幻覚を見る催眠暗示もこのとき同時におこなったのさ。何度も何度もね。もちろん、実際にあの音を聞かせ、後催眠を作動させたりもした。短期間にくり返しくり返し。とにかく頭の中にそういう回路ができあがってしまうまで。もちろん、その記憶は消した」
まさに調教だ。……パブロフの犬のような……。そうか、あたしはそうやって、調教されたんだ。
マリアがあとを続ける。
「あとは覚えてるんじゃないの? 徹底的に仕込んだ。殺し屋としてね。むしろこっちが大変だった。あたしたちにはそんな知識も技もなかったし、本やネットの情報が頼りの手探り状態だったから」
あたしは……あたしは……いったい……誰?
「あはははははははは。あ~っはははははははは」
マリアが狂ったように笑う。それこそ腹をかかえ、涙を流しながら。
「狂いなさい、ルーシー。自分自身に絶望し、自分自身を呪い、狂い死ぬがいいわ」
マリアはそんなあたしにはっきりと告げる。
「あはっ、あはあは」
あたしの口から笑い声がもれた。なぜ笑っているのか自分でもわからない。
ただ、それは止まらなかった。
も、もう……なんでもいい。殺して。
「殺して、殺して、さっさと殺してよっ! あはははははははははは」
突如、上からどやどやとさわがしい音がした。ドアから複数の男が乱入する。あたしはこれもマリアの演出だと思った。
今度はなに? なにがはじまるの? うふふふふふ。
荒々しい男はなにやら紙を突きつけて叫ぶ。
「ルーシー・ミラー、マリア・アンダーソン、サリー・アンダーソン。我々はFBIだ。あなたたちを殺人および殺人教唆の容疑で逮捕する。あなたたちには黙秘権がある。この供述は法廷で不利な証拠として用いられる場合がある。あなたたちには弁護士の立会いを求める権利がある……」
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