あなたの行方

それから貴方の行方をずっと探した。

一部の友達には「彼がいなくなってしまった」と告げて探すのを手伝ってもらった。


貴方の友達にも、貴方の仕事仲間などにも声を掛けたが、「知らない」の一点張りだった。

皆知っているんだろうが、「彼が桜に何か聞かれても知らないと言ってくれ」とでも言ったのだろう。貴方の事なら考えればなんでも分かってしまうのが怖い。


どうして私の元から離れてしまったんだろう。私の何処に不満があったのだろう。

実は付き合っている人がいて、

私が浮気相手だったのだろうか?考えれば考えるほど自己嫌悪になる様な内容しか思い浮かばない。

昔の貴方のことを考えている私は、ずっと笑顔で、目が輝いていたのに、今の貴方のことを考えている私は絶望に満ちている目をしていて、溜息しか出てこなくなっていた。


3年経った今、貴方の仕草、好きな髪型、好きな服装、少し忘れてしまう私が居た。

貴方の事を忘れるのが怖い。貴方が記憶の片隅から消えてしまうのが怖くなる。


もう私の元へは帰ってこないのだろうか?優しい桜の香りを漂わせていた貴方は、もう私の事を「愛してるよ」と力一杯抱き締めてくれる貴方は、何処へ行ってしまったのだろうか?

付き合っている時は何処にいても迎えに行くよ。って行ってくれたのに、

私の元から去って何処かに行ってしまったのが貴方なのはどうして?


何処にいても迎えに行くって行ってくれたあなたが、迎えに来る側ではなく迎えに来てもらう側になってしまった。私はあなたを本当に見つけて迎えに行く事が出来るのだろうか?

不安で不安で、毎日泣く日々を繰り返している。

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春が来る頃 @k_07_

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