第2話 転生しました

意識が戻る感覚があった。

そう思った瞬間

「おぎゃあ!おぎゃあ!」


泣いてしまった。別に泣きたいから泣いた訳ではなくて、勝手に泣いてしまうのだ。

とても焦った。泣き止みたくても勝手に涙が溢れてくる。声を上げるのを我慢しようとしても勝手に声がでてしまう。不思議な感覚だ。


そんな不思議な体験をしていると、目の前にいきなりウィンドウが現れた。

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《基本クエスト》

★転生しよう―言語理解:1


《貴族クエスト》

★貴族に生まれよう―神童

クリアしました

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うぉ!びっくりした。

ベル爺のところに居た時に一回経験したけど、いきなり現れるのはびっくりするな。


「おぎゃあ!おぎゃあ!」


ん?貴族クエスト?神童?おい!クソジジイ!神童はだめだろ!

てか、貴族クエストってなんだよ!

聞いてないよ!

神童なんて貰ったら嫌でも目立っちゃうじゃないか!


「ミリー様!元気な男の子です!産まれましたよ!」


「あぁ、産まれてきてくれてありがとう。あなたはルインよ」


「おぎゃあ!おぎゃあ!おぎゃあ!」


眩しすぎて目がまだ見にくいが、誰かがおれを抱っこしている。

包み込まれるように優しく抱かれているのでとても気持ちが良い。


しかし、本当に転生したみたいだ。

あの創造神を名乗るお爺さんは本物だったようだ。

ベル爺は公爵家に産まれさせると言っていたが、どんな国の公爵家なのか。亜人種の為になにができるのだろうか。


気になる事だらけだ。

魔法はあるのだろうか?ドラゴンはいるのかな!?

いずれはチート無双ハーレムしたいと思っているが、俺は慎重派なんだ。

いきなり、チートを披露して異物扱いされたくない。


冷静に心の中では分析しているが、今絶賛泣いている最中である。

泣き止もうと頑張っても身体は言うことを聞かない。

こんな経験した事ある人中々いないんじゃないだろうか。


俺が前世の記憶を持っている転生者である事は隠した方がいいのだろうか?

過去に転生者はいたのだろうか?

創造神に聞いとけばよかった。


今後の事を考えていると、泣き続けたせいか段々と眠たくなってきた。

俺を抱っこしてあやしてくれている。

顔を見たくても、目がまだはっきりと見えない。

声は女性なのだが、母親なのかメイドなのかよくわからない。


貴族って事はメイドさんがいるんだよね?

メイドーーーーーー

良い響きだ。

異世界モノは大体みんな顔が可愛いかった。

まあ、ライトノベルとして売れるには可愛くないと購入意欲はわかないから仕方ないのかもしれないが、いざ転生した身としてはそれが現実であって欲しい。


まだ、色々考えていたい所だが、赤ちゃんは寝る子はよく育つと言われている。すぐに睡魔がやってきた。

あやし方が上手でいつでも寝れそうだ。

せめて、顔だけでも見たいと思ったのだが、もう起きているのは限界になってきた。

目を瞑って本能に任せて寝る事にした。


「あらあら可愛い顔ね。おやすみ」


そんな声が聞こえたような気がしたーーー



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