第177話
三ヶ月に及ぶ治療の末、健康になりつつあった彼は身分を
それを切っ掛けに二人の仲は深まっていく訳だが… 舞台
ちらりと最前列の関係者席に視線を移せば、やや頬を朱に染めている司祭の娘らと対照的に、猫虎人の双子姉妹は不愉快そうな表情を浮かべていた。
このまま劇が進めば、嫉妬を
「馬鹿なッ、臣民のことを考えてないのか、色に狂った馬鹿どもめ!!」
「恥をかかされた辺境伯は軍勢を集めて侵攻、近隣の諸侯も呼応しています」
「恋は盲目、火遊びの代償が見えてなかったのでしょうな」
「いや、その相手は銀の王だとか、
憶測を
しかも既に
「中央から旅団規模の騎兵を出せるように手配しろ、それに並行して交戦国の王と、銀の王に書面を送るぞ」
「前者は落とし処の相談、後者は不参戦の確約を取るといった内容ですか?」
「あぁ、そうだ。これ以上、ややこしくなっては
元を
「当時、戦場で跡取りや郎党を失った貴族らも、顔に泥を
「馬鹿ばっかりだな! どいつもこいつも!!」
これから争乱に巻き込まれるであろう中央の軍勢、それを率いる側近らも近しい心情なれど、右掌で顔を
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