第176話
「銀髪碧眼と黒髪緋眼、民間伝承の通説より年若いけど… うん、二人とも
獲物を狙う鷹の
近くにいた虎猫人の双子姉妹が瞳を
「『銀の王』、謝肉祭の定番演目ですから、知ってますよね!!」
「あ、あぁ… 一応、
「第三章、悩んだ王が
「『隣国への侵略を見逃せば我々にも被害が
見せ場に入る少し前、
「すみません、一生のお願いがあります」
「いきなり重いわね」「ルー先輩とは初対面なのに」
不機嫌そうに呟いたセリアや、セリカにも負けず、“主役を演じて欲しい” と言って
人の良い第一王子が押し切られていく様子を眺め、ご愁傷様と思って静観していれば流れ弾が飛んでくる。
やはり、俺の存在も計算に入っていたらしく、優柔不断なルベルトと監督役の了承を取り付けた彼女はこちらに振り向き、逃がすまいとにじり寄ってきた。
「貴方にも折り入って……」
「黒の王役ね、関係者用の特等席、三人分と謝礼金で手を打つわ」
「また、勝手なことを」
「どうせ最後は “情に
損得勘定で動く振りをするのは時間の無駄だと、
数ヶ月前、王都の
「…… 役得、好機は逃さない♪」
「ふふっ、ウルリカは
微苦笑を
「席の手配は良いとして、お金は少額しか出せないわよ?」
「はぁっ… 致し方ない、引き受けよう」
ぴこぴこ動くケモ耳を触りつつ、溜息交じりに答えれば気をよくした相手は監督役と打ち合わせて、開演時刻を半刻足らずほど遅らせることなど取り決めていく。
さらに
ただ、
「物語の大筋を知っているのを差し引いても凄いな、あんたら」
「
「そう言ってもらえると嬉しいよ、ありがとう」
「まぁ、こっちは脇役で銀の王と比べたら、負担は少ないけどな」
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