第174話
その味わいを噛み締める
白く
「ジェオ君、あ~ん♪」
「対抗心を燃やすなよ、まったく」
衆人環視の状況に気恥ずかしさはあっても、
別に構わないかと割り切って、もう一個だけ司祭の娘に謝肉祭の菓子を食べさせてもらえば、伏せ耳となった人狼娘が何もない両掌を凝視した。
「くっ、ご主人にあげるのない… 一生の不覚」
「多少の時間を挟んで
追加分の揚げ菓子を確保するため、メイド服のスカートより
「ん~、今から屋台で
「待ち時間は半刻ほどありますけど、広場で『銀の王』を
右掌で口元を
「冒険者
「付き合おう、下手に断ると当番日の食事が粗雑になってしまう」
「それはダメ、絶対」
「うぐっ、そんなことしません!!」
根に持たれるのは
こちらの探索中に建てられた仮設劇場へ辿り着き、前方の空席を求めていると影に
「あの着飾った猫虎娘、セリアとセリカだな」
「多分、隣にいる人は変装したルベルト殿下ですね」
小さく囁かれた言葉の通り、仲
余計な冷やかしは自身に返ってくるので、少なくない距離を挟んだまま
「なんだ!?」「舞台裏の方だよな?」
「おいッ、大丈夫か!!」
騒ぎ出した群衆のうち、行動的な一部の者達に続いて舞台裏へ向かうと、演劇関係者らが倒れ伏した二人の役者を囲み、心配そうに見つめていた。
近場に
「くッ、左膝が… 立てない」
「畜生、こっちは右腕が上がらねぇ」
「無理すんな、折れてるやもしれんぞ」
「誰か、治療の
介抱する劇団員の見立てを受け、監督役らしき大男が叫んだ時点で巻き込まれる覚悟を完了させ、
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