第163話 ~とある人狼娘の憂鬱~
誓約歴1261年2月中旬 ~某日夜~
「この仕打ち、絶対に許すまぢ……」
「ふふっ、私は役得ですけどね~♪」
世間が謝肉祭の準備でにぎわう昨今、地母神派が誇る聖マリア教会の大浴場にて、ディアナ・アマデウス・カンパネルラに抱き締められながら、湯船の中で彼女に預けられた人狼娘が唸る。
目を座らせた三白眼のウルリカは
危険という理由で浸食領域への帯同を拒否され、あまつさえも一人にしておくのは心配だと、
そんな心の機微に構うことなく、無遠慮に触れるたおやかな
「んぅ、この
ともすれば
「異教の女司祭、みんな胸が大きい?」
「ん~、同志フィアも結構な “もの” を持ってますからね、きっと教会の洗礼を受けて聖母様の加護を得たら、狼さんにも素晴らしい恩恵がありますよ♪」
微笑を湛えた大司教が
「…… 嘘の匂いがするし、駄肉が増えると動きづらい」
「そうきましたかぁ、私も邪魔に思う瞬間はあるので、一概には否定できません」
“
教会で寝泊まりを始めて三日ほど… 愛らしいと
(ご主人の
それには姉代わりの二人を出し抜かねばならず、道のりは遠い。
若いので長期戦も辞さない覚悟だが、
いまだ大司教たる淑女に抱っこされたまま、お風呂に顔半分を沈めたウルリカはぶくぶくと、幾つもの泡を立ち上らせながら、また静かに唸った。
------------------------------------------------------------------------------------------------
オオカミの群れでは一番強い雌だけ、子どもを産むことができます。
本能に根差した部分で、人狼娘も影響を受けているのかもしれません(笑)
SNSのアイコン(↘)から、読了ツイートして頂けると創作活動の励みになります!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます