第162話
季節柄のコモンタイムと乾燥カモミールの香草茶で人心地つけてから、やや強引に渡された
内容自体は素材採取を求める一般的なものだが、某老教授が欲しているのは安定期かつ大規模な浸食領域、“廃都に至る地下迷宮” の湖沼で
「なるほど… 危地を
「えぇ、
あまり買い被られると面倒なので、小首など
「ダーリン、文章は最後まで読むべき、依頼主が連名になってるの」
「…… もう一人はヴァネッサ女史か、恩を売って損はない相手だ」
先月に教えてもらった蒸気機関の有用性を考えるなら、先史文明の知識を
何かの
「例のミニチュア模型、精巧な部品を錬成したのはアンダルス教授です。予想され
「外堀を埋めるが
失敗時の違約金が
「それなんだけど… あの偽竜ってさ、多額の賞金が懸けられてるよね?」
「却下だ、却下、出会った頃と変わらないな……」
「むぅう、ダーリンだって、私の扱いが酷いままじゃない」
断固抗議すると頬を膨らませたリィナの指摘は正しく、現世で初めて肌を重ねた相手なのもあって、多少の個人的な依存や甘えが表に出ているのも事実。
にやつくドロテアに痴話喧嘩を見せる気もないので、
その代償として幾ばくか譲歩せざるを得ず、 “首尾よく
「攻め処を間違えないのも、
「いや、違うだろ」
喰い気味に否定しようとすれど、
「“仲良きは美しきかな” ですが、そろそろ明確な答えを頂いても?」
「あぁ、引き受けよう、期待せずに待っておけ」
結局、関わることが避けられない運命だったのか、この瞬間に地下迷宮の第十一階層へ向かうことが決まる。
往復で六日ほどの探索となるため、
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