第156話 ~とある第二王子らの遠征①~
他方、大規模なれど安定している浸食領域 “廃都に至る地下迷宮” の第十一階層、多種多様な発光植物が
「ふぁ… うぅ…… 今日も空振りか」
「あぁ、
漏れ聞こえた呟きに律儀な相方は首肯を返すが、ここ最近は危地に踏み入る
実際に
「ッ、まさか!?」
「食料が尽きる前に出会えたのは
何の成果もなく王都に出戻るのは頂けないと言い添え、年長の男は枯草や
やや周囲の環境的に判別しづらいものの、夜目が
「北北東の方角に狼煙が生じています」
「ありがとう、もう一度だけ確認しておきますけど……」
幾度目かの念押しで宰相を務める公爵家の令嬢、エミリアが気心の知れた仲間達へ視線を巡らせて、数々の犠牲者を喰らってきた “偽竜” との交戦に言及する。
万一に備えて潜伏する二組の斥候役らが危ないと判断した場合や、撤退時には
逆に標的が逃げたなら、湖沼の付近まで深追いしないことなど彼女は並べ立てた。
「“いのちをだいじに” だね、心得ているよ」
「当然だな、判断を誤るつもりはない」
低層の
それに気を良くしたようで、
「皆様の武運を願わせてもらいます、ここの撤収は任せてください」
「目的を果たして、気持ちよく帰りましょうや」
「んで、報奨金を握り締めて酒場へ直行!!」
「あははっ、良いっすね~」
荷物の運搬及び、拠点設営も行うポーター役の冒険者らの激励? を受けて、同階層で二日間を過ごした
王侯貴族の縁者
王都で生きる荒事稼業の連中にとって、上下水道の
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