第142話
「お二人とも、立ち話は何ですし、先に荷物運びを終わらせましょう。片付いたら、
「研究室で調理とか、好きにさせて良いのか?」
「実験の経過観察で室外へ出られない時も多い、致し方ないだろう」
自分達以外の連中も同様に料理道具を持ち込んでいると老教授は
耐熱
そこに助手兼メイドの少女が薪木を入れて、こちらをチラ見するので
「ありがとうございます、少し待ってくださいね」
外見的な13歳前後の年齢とそぐわず、妙に
なお、自慢げに言うだけあって、事後に頂いた彼女のクッキーはとても美味く、“報酬として十分” という満足な気持ちにさせてくれる。
最初は舌に慣れなかったものの、南方大陸と内海を挟んだ中東地域の半島で出廻っている黒い豆など
「これは売り物になりそうだな、言い値でレシピを買い取らせてもらおう」
「残念だが、
老教授
どのようなルートで黒い豆を得ているかも含め、
「
「気になるなら聞いてみるといい、奴も貴様に話があるそうだ」
「ん… 初耳だな」
「伝えてないからな、歳のせいで忘れていた」
「ふふっ、興味がないだけでしょう、幾つになっても変わりませんね」
長年連れ添った伴侶のような態度で
若干の困り顔で体裁を
「仲が
「えぇ、
「…… 少々遊びが過ぎるぞ、ドロテア」
さりげなく
元々、居座るつもりは無かったので適当に話を切り上げ、ご馳走になった礼を
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珈琲の原産国であるエチオピアは細長い紅海を挟んで中東の地域と隣接しています。それもあって、900年代にはコーヒー豆が伝わっていたようですね。
ただ、当時の用途は薬であって嗜好品としての味は確保されておらず、アフリカ大陸でも粉にして練り上げ、団子状の食べ物にするとかなので、飲み物となるのは1300年前後を待たねばなりません。
それでも、大航海時代の紅茶よりも早々にイスタンブールあたりを経由して、西洋に持ち込まれていたと思われます。
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