第107話
泣く泣く予期せぬ出費に応じた
最高学府で知識を付けようと集まった様々な年齢層の者達に向け、増築を重ねた各寮の部屋数が多いことから、敷地内に併設された病棟を訪れるためだ。
薬草を
「なんか、心地よさそうに見えるね、
「
遠慮なく患者の一人に近づいて寝顔など
「強制的に漏出させられるマナは魔力で
それも一時的なものに過ぎないことから、少し
病棟の医師達は学院の講師も務めるだけあって、世間を騒がせる昏睡事件の解決に寄与すべく、既に様々な試行錯誤を積み上げているようなので、少し踏み込んだ質問を投げてみる。
「外部からの魔力干渉を断つ絶縁結界は?」
「
ただ、三桁越えの意識不明者が出ている王都の現状、すべての被害者にこの方法が適用できるはずもない。
「眠り姫になった伯爵令嬢とか、
「ん~、お貴族様でも経済的に厳しそう、一般市民には到底無理ね」
何気なく呟いた幼馴染に触発されて、
「費用対効果が悪くて根本的な解決にならない以上、無責任に推奨するのは
「やはり “呪い” か、失礼させ… 何故、邪魔をする?」
「ダーリン、それは普通に駄目だから」
一応の断りを入れながら、眠る中等科女子の心臓付近へ手を伸ばすと、横合いから腕を止められてしまう。
確かに意識のない少女の胸を触るのは倫理的な問題がありそうなため、精度は落ちるものの額に触れて身体を循環するマナに
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