第70話 ~とある専属司祭の視点①~
「ご領主様の厳命で街に入れないとは言え、私が代表で良いのでしょうか?」
「ん~、なんかあってもダーリンが責任取るだろうし、構わないんじゃないの」
活動拠点の構築から一夜明けて… 金銭に目の
目立つ場所ですら、こんな
「いつまでも野ざらしなのは居たたまれませんね、フィア様」
「ウェルゼリアの
「えぇ、街を代表する方々との顔合わせが終わり次第、すぐに取り組みます」
“もっとも、ジェオ君の指示は感染源を処分する意味合いが濃かったですけどね” と内心で蛇足して、彼の為にもこの悲惨な光景を見せたかったと強く思う。
私が導き、生涯を添い遂げる主君は “持たざる人々” の痛みを知り、生命の尊厳を最大限に重んじる者であって欲しい。
(そう願うのは我儘?)
ある意味での常識は
密かな言い訳を挟み、好ましく想う相手を身体で籠絡した白藤髪の幼馴染にジト目など向けるも、勝手知ったる同性の親友なので困ったものだ。
恐らく、向こうも似たような心持ちであり、こちらが強引な手段に訴えても文句は言わないのだろうが、初めては求められる形で捧げたい。
(うぐっ、本当に
自らの面倒さに
反射的に隣を
「もう広場に着くけど、大丈夫?」
「っ、そうですね、“すべての人々が持つ可能性と幸せのため” に……」
孤児である自身が感銘を受け、脳裏に刻んだ聖母の
意味が分からないほど過酷なサイアス氏
それを打ち消すと同時に思考も切り替えて、イルファの評議員や行政に
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