第55話 ~ とある斥候少女の視点 ~
(あ、これ死んだかも……)
大きめの酸弾が当たった右脇腹を触ろうと、咄嗟に伸ばした左手が
赤い
「うぁ… あぁあ、あぁああ――」
「「リィナッ!!」」
痛みを堪え切れずよろけて、
悲壮な表情のクレアが即効性のある
胸の鼓動が早鐘を打ち、体感的に引き延ばされた
(… っ、そう言えば、人って簡単に死ぬんだった)
幼い頃、両親に手を引かれて歩く帰り道、大通りを急いで走ってきた二頭立ての馬車が
それは一瞬で私を
(あの日、お店で焼き菓子を
ほんの
今回にしても偶々、仲間内で斥候を
(本当、
修道院育ちの時点で言わずもがな、こんなものかと失笑しながら、悲鳴染みた声で励ましてくる幼馴染達を左右の首振りで
もはや身体に力が入らないため、諦めの意図は上手く伝わったのだろうかと、
治癒魔法の延命効果も薄れてきた頃、霞む視界に境遇を変えるための打算半分、残りは貴族というモノに対する興味に
「………… あれを
あまりにも
まだ二ヶ月ほどの付き合いではあるものの… 大抵のことは器用に
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