第41話
はた迷惑な師と大蜂で
「ちょっと、ダーリン! 遊ばないで真面目にやってよ!!」
いましがた毒針で痛い目にあったリィナと視線が一瞬だけ交差すると、忌々しげに白藤色の髪を揺らす少女から、強く
若干の理不尽さを感じている内にも、斥候の娘は大蜂どもの噛みつきを避けるのに合わせて、振り抜いた
「「ギギッ!?」」
致命傷を負った自覚もなく、上下に分割された哀れな二匹が勢い余って、流線形の軌道で草地へ墜落した。
何やら悪戦苦闘するクレアの槍と違い、短剣は
「くッ、どうして、あたしは……」
幼馴染の二人よりマナ制御の資質に欠けるため、身体強化を上手くできない槍術士の娘が
残酷な話だが、近接戦闘に
「前途多難だな」
密かに溜息を吐き、この様子だと遠からず脱落しそうなクレアを頭の片隅に留めて、俺も群がる大蜂を革製グローブに包まれた両拳で打ち落とす。
弟子に負荷を与えるのは飽きたのか、安全圏まで退いたサイアスを放置して継戦するも、
「近くに
「確かに疑わしい」
燃費が悪い
大樹に穴を開けて巣作りする軍隊蜂の習性など考慮した上、内側を喰い荒らされている木々の有無に
「この場を離れよう、閃光音響弾の魔法は?」
「
薄く微笑んだ侍祭の娘が大蜂への反撃を捨て、毒針の回避と術式構築に専念する姿を視界に
ふわりと豊かな胸先に浮かんだ光球が弾ける
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