第32話
妙に静まり返っているので振り向くと、やや頬を染めた真顔という
「うん、修道院が男女別だったの忘れてたわ。あんまり耐性は無いみたい」
露骨に照れながら真っ赤な顔で
「結構なお
「意味が分からん」
「やっ、筋肉質で絞れているし、傷だらけなのも凄みがあって悪くないと」
「ほぼ全てサイアスにやられた名誉なき負傷だけどな」
運がいいのか、悪いのか、
(何年も付き合ってくれる訳でなし、精進あるのみか)
せめて一太刀は浴びせたいと考え込んでいたら、またしても横合いから色白な手が伸びてきて、不意討ち気味に片頬を
「いひゃい、にゃにをする!」
「まったく、
呆れた様子のリィナから
冷ややかな目で “お前が言うな” と睨みつければ、状況を察した彼女は誤魔化しの愛想笑いだけを残して、そそくさと部屋の外へ逃げていった。
それを機に手早く身なりなど整えてから階下の食堂へ向かい、少し遅めの朝食を取り始めて十分ほど経った頃…… 市街地から帰ってきたフィアが姿を現す。
細めな両腕には買い出してきたであろう薬草類や雑貨が抱えられており、何処か納得のいかない表情でテーブルに置いた後、こちらの対角線上の席へ腰を下ろした。
「何故か、港湾都市より全体的に物価が安いんですけど?」
「あぁ、うちは商工系の組合が
「ん… 司祭様との世間話で聞き及んでいましたが、弊害も多そうです。ご領主様はどういった理由で、商工組合の
こてんと小首を
なお、領内の財政に
「むぅ、少しの理不尽さを感じますね」
「ま、
無欲の善意で
個人的には綺麗ごとを並べて、一方的に誰かを言葉で殴りつける
「性悪ほど善人
「うぅ、またジェオ君が
地母神派の侍祭としては許容し
使命感に
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