第28話
沈黙したまま活版を用いた複写技術に意識を
「にゃにをする、はにゃせ」
「ぷっ、猫みたいになってるわよ」
楽しげなリィナの手を
「何かを真剣に考え込んでる姿は素敵だけどさ、皆と一緒に
「
やんわりと告げられた助言を受け入れてから、残っていた干し肉の欠けらに
改めて周囲を
俺も抜けないように革
「いつもの事ですけど、サイアスさんは混じらないのですか?」
「誰かを鍛えるのも修練の一環だ。無粋な邪魔をするつもりはない」
「というのは口実で面倒なだけね、最近分かってきた」
「そこは想像に任せるさ」
ひらひらと手を振った師に追い払われ、二本の訓練用ダガーを手にしたリィナと、錫杖を抱えたフィアも近くに歩み寄ってきた。
駆け出し冒険者の少女達は
先陣を切るのは右斜めから弧を描くように肉薄した斥候の娘であり、こちらの剣先が届くか
続けざま、奇を
「初心者の寸止め、信用するには危険だな」
「うぐっ、酷い」
さらりと心の声を零しつつ、クレアの愛槍を
めげない侍祭の娘は止まらずに距離を
目で軌道を追えている
「身体強化の精度差とは
「他の二人に比べて、マナの扱いには一日の長がありますからね」
「だが、
「っ!?」
身体が触れ合うような至近で言葉を交わした直後、剣柄より離した左手でフィアが
その際、自身の左脇越しに片手一本で背後へ刺突を放ち、心臓がある辺りの裏側を剣鞘に納めた切っ先で小突くことも忘れない。
「あうぅ、普通に死亡判定だよね、これ……」
やや沈んだ声で呟き、早々に退場する侍祭の足音が耳に届いた。
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