第6話
「大丈夫なのか、ジェオ。剣術など
「問題ありません、あれでも壊れないよう手加減されていますからね」
「むぅう… サイアスッ、分かっているな‼」
もし息子に不測の事態が起きたら、命で
「
物腰は柔らかくとも、有無を言わせぬ態度で雇い主を追っ払い、長身
それを合図に俺は自らのマナを励起させ、二人の会話中にこっそりと構築した術式を発動すべく、大気中に
(極限まで圧縮した根源たる力にて次元の壁を
幾つもの憶測を重ねて至った推論に
「なにッ、領域爆破だと!?」
突如、右腕の
紫電一閃とばかりに繰り出した木剣の薙ぎ払いは、無防備に
「臓物ぶちまけて死ねや、馬鹿師匠!」
「はっ、面白い冗談だ!!」
先ほどの意趣返しで狙った腹部への斬撃に動じることなく、相手は瞬時に付近のマナを凝縮させて、空中に複数の小六角形で構成された半透明の障壁を発生させる。
それは得物が触れた途端に爆炎を上げ、指向性のある風圧で剣戟を吹き飛ばした。
「また面妖な技を……」
「 “
したり顔のサイアスが微細に踏み入り、先程と寸分違わぬ箇所へ鋭い斬撃を叩き込んでくる。なす術を持たない俺はまたしても、腹へ重い一撃を喰らって地に沈んだ。
いつものパターンだと追撃の踵落としがくるため、マナの制御で再び頭脳を強化して、思考速度を人外の領域にまで跳ね上げる。
余計な情報が遮断された視界は灰色になり、一切の音も消え失せて体感時間が引き伸ばされていく中で、数秒前に見せられた浮遊する半透明な魔法障壁の術式を読み解き、即座に再現していく。
ただ、予想された頭上からの追撃はなく、感心したような師の声が降ってくる。
「実に興味深い、あれを初見で理解できるのか?」
「あぁ、知覚と頭脳に極振りしているからな」
生前、魂の集う場所で英霊達の人生を疑似体験したからだと
これが意外にも近接戦闘に
「とても前衛に必要な資質とは思えんが、猿真似をするには好都合か……」
一
つい言葉の響きで想像する転移術式などは含まれずとも、
溜まった雪辱を晴らすまで、まだ膨大な時間が掛かりそうだ。
------------------------------------------------------------------------------------------------
※ 少しでも面白いと思って頂けたら
表紙ページ( https://kakuyomu.jp/works/16816927860966363161 )
青色の★部分をクリックした先で、応援してやってください!
その他、SNSのアイコンから、読了報告などして頂けると
創作活動の励みになります!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます