奪われた者達へ

@2580ajtgM

プロローグ 始まりの日、終わりの日


───駄目だ、それじゃ。


 1人の少年が血だらけで藻掻きながら、前にいる少女に嘆願する。


「────────ー。」


 それを聞いて1人の少女は、意識が朦朧としている彼に向かって、涙を流し、優しく微笑んだ。


「ごめんね。───志音。」


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「はぁはぁはぁ、───────志音!」


「志音、何か変な所ない?ほら、体調が悪いとか……」


「自分は、ダレ、ですか……?」


「何で、どうして?こんなことになるなんて……」


『どうかしたのか?』


「イチ、助けて!志音が、志音の記憶が……!」


『記憶が消えた…?本当の話しだったのか……!』


『─────この時が約束の時なのか、茈志音』


『動かないで、志音』


「何、してるの?イチ?」


『恋七、ごめんね。

志音は、────殺さなければならない』


「志音!!─────離れて!」


『ごめん、吹っ飛んでくれ』


「イ、タッ……」


「どうして、体が動かないんだよ……。

自分は死ぬのか?殺されるか?そんなの、あんまりだ」


『本当に、ごめん。意味が分からないと思う。

でも、それは皆同じなんだ。あの時だって……お前は』


「待って…待って!」


『もう時間だよ、恋七。志音は……』


『志音をoriginオリジン に移動させる』


「origin……!?って、志音が!」


「私が行くまで、その場から動かないで!

必ず、必ず、、何があっても助けに行くから!」


─────生き、て。


『─────これでいいんだよな、志音。何でお前はいつも、僕に嫌な役を回すんだよ』


───────────────────────

初投稿

週に1話ずつ書いていきたい

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