第3話 今度のマスターは蜘蛛でした。 2回目

 おぉー。本当に無事だった。

 最悪は死なないという情報が嘘である可能性を否定できなかったからなぁ。まだまだ楽しめそうで良かったよ。


 さて、次のマスターは誰かな?


-----2回目-------


【ようこそ、マイマスター】


おっ、俺の声くんもお変わりないようで何よりです。

何だろう。別に話せるわけじゃないけど、親近感を覚えるんだよなぁ。声聞けただけで安心できるし。


【あなたは、ダンジョンマスターに選ばれました。そのため、あなたにはダンジョンを運営していただきます。】


今回のマスターは、蜘蛛?

へぇ、蜘蛛もダンジョンマスターになれるんだ。勝手にダンジョンマスターになれるのは人型だけだと思ってたよ。

それにしても小さくて弱そうだなぁ。黒い体に白の模様がある赤い目をした蜘蛛だ。

でも、サイズがテニスボールじゃな。2連続で即終了とかないよね。


【ダンジョンとは、ありとあらゆる生物に試練を与える場所のことです。】


一回目が酷過ぎて、この試練が俺に対するものなんじゃないかと思い始めたよ。しかも、死ねるダンジョンマスターと違って、俺は何回もこれから繰り返すことになるんだろう。


俺の精神が持つのかな。あれ、どうやら俺は状態異常耐性を持っているようだ。これでは、意識を失うこともできない!!


まぁ、しょうがないか。その辺のことは、のんびり考えていこう。

おっと、説明はどこまで進んだかな?


【ダンジョン内の改変や魔物の召喚、ダンジョンの維持、アイテムの交換には、ダンジョンコアポイント通常DCPが必要になります。最初はダンジョン作成のために6000DCPが与えられます。】


まだここかよ。えっと、マスターが話しを聞いていなかったから何度か繰り返し伝えてたみたいだな。なんだそんなことか。


って、また人の話しを聞かないマスターかよ。いったいどうやってダンジョンマスターを選んでいるんだ!?試練を与えるどころじゃないやつをダンジョンマスターにするんじゃない!!


文句を言うのも疲れたな。まぁ、俺に体はないから本当は疲れないけど。


【このポイントはダンジョン内で生物を殺したり、価値のあるアイテムをポイントに変換する等の方法で獲得することができます。】


今度は有効的に活用されると嬉しいな。前のゴブリンみたい死体を押し付けてくることがないといいんだけど。


そういえば今回のマスターは蜘蛛だから巣を作れば、自然と罠ができるんじゃない。このダンジョン初の罠!!


やっとダンジョンらしくできる!!


【重要なことをお知らせします。あなたは蘇生のポイントある限り復活することができますが、ダンジョンコアを破壊されたときはポイントに関係なく死にます。そのことをわすれないでください。】


はい、大事なお知らせさんの出番だ。

でも、このマスターもよく理解していないんだろうな。


あれ?あれれ?まともな質問してきた!!

死んだらどのくらいのポイントを消費しますか、だって。

そのことに気付くなんて、うちの子は天才かしら。


【蘇生に必要となるポイントは、マスターの格に比例します。現在マスターはランク2のラージスパイダーの亜種です。そのため、蘇生には2000ポイントが必要になります。】


俺が親バカを演じている間にも、俺の声くんがしっかり説明してくれる。


つまり、ポイントを稼ぐまくってマスターの格が上がるとその分、蘇生にかかるポイントも上がってしまうから、相手が死ぬまでゾンビアタックみたいなことはできないってことだな。


【ダンジョンを運営する前にチュートリアルを受けることをおすすめします。どうなさいますか。】


受けておけって。今なら、なんかすごい特典があるって、知らないけど。


前回は受けてなかったが故にいろいろと起きたからな。

本当にいろいろと。思い出しただけでなんかイライラしてきた。


本当にあのくそゴブリンが(# ゜Д゜)!!!!!


あれ?


なんか出たぁあああああああああ〜〜!!!!!!!!

えっ、なにこれどうやったら出るの。えっ???

誰か知らないの。俺、何も知らされてないんだけど!!


どうやったら顔文字でるの???

誰か教えてくれええええーーーーー!!!!!!!!


まぁ、俺の頭に情報がなければ教えてくれる人はいないか。仕方ない。今日のところは諦めるか。


まぁ、でも何にもない空間で少しでも遊べるものがあるのは良いことだよ。今後、ゆっくり出し方を調べていこう。


さてとマスターの方はどうなっているかな。


【以上でダンジョンのチュートリアルを終わります。】


おっ、おう。チュートリアル受けたんだね。

良かったね!

でも、初めてのチュートリアル見逃したんだけど!?!?


説明する前に声くらいかけてくれても良いよね。なんで声かけてくれないの。初のイベント見逃したじゃん( ;∀;)。


あっ、出た。いや、今はそんなことよりチュートリアルだ。

よし決めた。今回のマスターはチュートリアルを受けていない。そうだ、そうに違いない。


通路ができてるのも、部屋があるのも、ダンジョンコアが移動されているのも、スライムが召喚されたのも、すべてマスターがダンジョンの運営を必死に考えて頑張ったからだ。


流石に無理があるよう〜〜〜。

全部を偶然で片付けるのは無理過ぎだよ。


うわー。かなりショックだな。

はぁ〜。


【それでは、素晴らしいダンジョンをつくられることを祈っています。】


こうして俺の2回目のダンジョンコア生活が始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る