第4話 マスターは蜘蛛でした。 2回目
2回目のダンジョン運営が始まった。
俺はというとスライムがモチモチしているのを眺めていた。
可愛いなぁ。あっちにコロコロ、こっちにコロコロ。
ダンジョン内の埃もついでに拾って吸収してくれてる。
掃除もできるなんて偉いな。
可愛いだけじゃなく、有益だなんてな。
なんで召喚されたスライムを見ているのかって暇だからだよ。まぁ、要するに暇潰しをしていた。
んっ?マスターはどうしたって?
マスターなら今部屋で必至になって巣を作っているよ。
そりゃ、蜘蛛だもん。
なんで俺のダンジョンマスターになるやつは、初日に寝床作りに精を出すのかな。他にやることあるだろ!!
まぁ、まだ蜘蛛であるマスターが巣をつくる分には罠になって良いと思ってたよ。最初は、、、
実際、巣を見ると部屋の天井な隅に作っていて全く罠として機能してない。そもそも蜘蛛の巣の強度的に子どもの嫌がらせくらいにしかならないじゃん。
そうだよね。蜘蛛がいきなり部屋の真ん中に巣をつくり始めたりしないもんね。
私が勘違いしたのが悪かったですよーだ。
・・・・5日後・・・・・・
はぁ、変化が無くて暇だな。スライムを見て和む毎日だ。
何か起きないかなぁ。
外でも見て気分転換するか。
今ダンジョンがある場所は、どうやら街道の近くだな。
まぁ、街道といっても土を踏んで固めただけの道だ。
ここの文明はそこまで発展してないのかな。
ん?ダンジョンに何か近づいてくるぞ
街道があるってことは近づいてくるのは人間かな?
うわー、もう終わりかよ。
ダンジョンが大きくなる前に邪魔だから潰されて終わりだよ。どうせあれだ。
来た人がダンジョンを攻略しなくても、貴族とかに報告がいったら都市間の交易を止めかねないリスクは排除するとか言って過剰な規模の討伐隊が組まれるやつだよ。
蜘蛛さん終了のお知らせだな。
おっ、そんなこと言ってたら見えてきた。
あれは、盗賊かな?それともこの世界では世紀末な衣装が普通なのかな。まぁ。そんなことはないだろう。
予想通り盗賊だ。人数は5人か多いな。
勝てる要素はないな。というか昼間に盗賊がどうどうと街道を歩いているんじゃねー!!
あっ、ダンジョンに気が付かれた。誰かが罠を仕掛けたとか言ってる。ダンジョンの見た目はただの穴だからな。
そうだ、そのまま罠と判断して通り過ぎろ。
あれ、盗賊のボスみたい奴がダンジョンだって騒いでるよ。何で気付くんだよ。盗賊なら見た目だけでなく、脳内もヒャッハーしててくれよ。
ちょっと待てよ。
5人でダンジョンに入ろうとするな。狭いんだから2人で十分だろう。
マスターも侵入者に気がついたな。必死に攻撃しようとしている。でも、全く効いてないな。マスターが盗賊に刺された。
【ダンジョンマスターの死亡を確認しました。ダンジョンマスターの蘇生を行いました。】
これでマスターの残機は後2回くらいかな。
うん、終わるなぁー。部屋に作った蜘蛛の巣も手で払われてる。10センチもない蜘蛛が人間に敵う訳ないよね。
【ダンジョンマスターの死亡を確認しました。ダンジョンマスターの蘇生を行いました。】
そう言えば、あれ以来顔文字を出せてないような気がするなぁ。出せないか練習してみるか。
真面目にダンジョン運営しろやーーー!!!
ダンジョンマスターくらい俺に選ばせろやーーーー!!!
なんで見てるだけしかできないんだよーーーーー!!!
うん、まぁ、無理だとは思っていたよ。
【ダンジョンマスターの死亡を確認しました。ダンジョンマスターの蘇生を行いました。】
次で蘇生もラストだな。もう終わりだね。
ってあーー!!あのクソマスター、ダンジョンコア放置して外に逃げやがった!!!
何を考えているんだ!?
でもこれでダンジョンコアを破壊されて終わるのか、それともコアを外に持ち出されて終わるのかの2択になったな。
うわー。どうやら破壊されるようである。ダンジョンコアを破壊されたら痛いのかな。ちょっと怖いかなぁ。死なないということしか知らないんだよね。
盗賊が剣を振りかぶっている。目を瞑っておこうか。
死ぬ瞬間は見たくないんだよね。
……あれ!……まだ?……どうしたんだろ?
なんで、なんでそこにおまえがいるんだよ。
。・゜゜(ノД`)スライムーーーーーー!!!!!!!
お前はマスターがいないのにからだをはって俺を守るなんて。動こうとするな。お前には剣が刺さっているんだぞ。
あっ、きれいな最後だなぁ〜(´;ω;`)
光になりやがって。
くっ、。・゜゜(ノД`)スライムーーーーーー!!!!!!!
・・・ついにダンジョンコアに剣が刺さる。・・・
俺は痛みより大事なものを亡くした悲しみの方が強かった。
【ダンジョンコアの破壊が確認しました。それに伴いダンジョンマスターの死亡が確認されました。以上でダンジョンマスター、ラージスパイダーの亜種のダンジョンが終わります。】
こうして俺の2回目のダンジョン運営が終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます