第22話 防衛兵

ガラッ、と戸を開ける音がした。

「ん?なんじゃこれは……」

元就は隆元の手紙を読む。

「なるほど、吉田太郎丸の攻撃は苛烈と化したか。ならば、少しばかり救援を送ってやらねばの。吉田太郎丸を落とされるわけにはいかん!」


「よし、読んでくれた!」

「私たちは待っているべきかしら?」

「くるみちゃんは危ないから隠れていて。俺は一般兵に変装してこっそり様子を見に行くよ」

「……わかったわ、気を付けて」

くるみはその様子を見送ってから、身を隠した。


悠月はこっそりと変装し、元就の指揮下に入る。

「思っていたよりも火の回りが……」

「民をより遠くへ避難させい!」

元就はそう大声で叫ぶ。


本当に民想いだな、と悠月は感心する。

だからこそ、家臣たちにも慕われているんだと悠月は感心する。


「火を消せ!」

「まずは砂をかけてから消火すべきですよ」

悠月は元就の近くからそう叫んだ。

「砂をかけろー!」

家臣たちはそう言って、消火活動を始めた。


「ようやった!」

元就は、消火が終わって家臣たちを褒める。

「さて、吉田太郎丸を守り抜くぞ!」

「おおー!」

兵たちの士気が上がっていく。

元就の統率力に、悠月は感心しきりだった。


「さてと、俺は……」

隆元の付近へと近づく。

「なぜお主が……!」

「俺もお手伝いしますよ」

「しかし……」

「大丈夫ですって。学生時代に剣道やっていましたから」

「……ならば、我から離れるでないぞ」

「はい!」

悠月は隆元に着いて、吉田太郎丸の防衛線に参加することとなった。

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