登場人物

   第一編:主要登場人物



Ⅰ.木葉刑事 〘木葉 舜 、このは しゅん〙



30歳を過ぎたばかりの男性で、刑事と云う仕事柄からスーツを常に着た男性。 穏やかな目つき、色白の肌、程よく高い鼻の整った方の顔に、痩せ型ながらにそこそこ均等の取れた体つきをしている。 刑事にしては髪が長く目元まで隠すぐらいに在り。 身長175前後の割に頼りなさげに見える。 警視庁の捜査一課、篠田班に属し。 “まぐれ当たりの木葉”とか、“イカサマをする刑事”とか云われている。 理由は、時々に誰も想いもよらぬ角度から証拠を発見したりするからだ。 然し、その実態とは、“霊視”と“交霊”の力を備え、幽霊から情報を貰っていた。 連続強姦殺人犯の‘広縞’に殺され、強力な怨念を持って怨霊として蘇った女性を追う。



Ⅱ.越智水医師


灰色の髪を何時も正しくオールバック気味にし、七:三へ分ける50代の初老男性。 身綺麗で、常に冷静で穏やかさを保つ外科医。 奥さん第一主義で在るため、異性には余所見をしないが。 彼もまた、霊視の能力を持つ。 木葉刑事とは数年の付き合いとなり、良きアドバイザーに居る。



Ⅲ.古川刑事


鋭く細い目つきをし、柔剣道で鍛えた小太り姿で、禿頭の初老刑事。 所属は、東京都内の所轄の刑事だが。 捜査一課の木葉刑事とは、過去に何度か一緒に事件を解決していて。 信じたくは無いが、一・二度ばかり幽霊を目撃してしまった事が在る。 定年も視野に見えて来る年齢だが。 一人娘に対してだけは冷静さを欠き。 周囲からも親バカと言われている。



Ⅳ.広縞 修 〘ひろじま おさむ〙


大手医療・化粧品会社の開発部に勤務する男。 母親から育児放棄され、幼少から親戚の元で肩身の狭い居候として生きる。 生まれながらに醜い顔付きから、ずっと周りより苛められて来た過去が在り。 女性に対しては、特にねじ曲がった憎悪を抱いて来た。 或る時、従兄妹の女性を強姦してから異常性衝動に目覚め、連続強姦殺人犯に成る。



Ⅴ.篠田班長


50歳前後の眼鏡で小柄な中年男性。 所轄の刑事の頃から一匹狼的な刑事や余所で炙れがちだが能力が高い刑事の相棒を引き受けては、彼等の働きから手柄を貰い。 警視庁に栄転をしては、捜査一課の一班を任されるまでに出世した警部補。 これ以上の出世は望んでいないが、定年後の天下り先までを考えて、班を任される時に変わった問題児と思われた木葉刑事を引っ張って来た。 ‘まぐれ当たりも続けば才能’と、木葉刑事を適当に泳がせて使っている。 ‘超’が付く恐妻家だが、本人は周りに下隠しにしている。



0.被害者の女性


交代勤務の仕事をしている事から時折、遅い時間帯に帰宅する事が在った。 広縞に狙われているとも知らず、台風が去る間際だからと歩いて帰る事を選び。 彼に襲われ、強姦された上に殺害されてしまった。 酷い仕打ちの上に殺される事で、強烈な怨みを抱いて死んだ事から怨霊に変わってしまう。


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