第6話 さんぞー世の中治めれば

 子供の頃、近所に土木関係の仕事をしているさんぞーさんというアル中のオジサンがいた。さんぞーさんはいつもまん丸の赤ら顔で額に大きなシワが何本もあり、大概手ぬぐいを頭に巻いていたので漫画に出て来るタコにそっくりだった。さんぞーさんの好物は朝に食べる‟サケ(酒)茶づけ”と聞いていた。熱い炊き立てのご飯にお酒をかけて食べたら確かに美味しいのかもしれない。

 さんぞーさんはお酒が飲みたくて時々ウチに遊びに来た。

父とお酒を飲みながら調子が上がると、田中角栄のようなダミ声で決まって言うセリフがあった。

「サンゾーヨノナカオサメレバ、コノヨノナカサンゾーリッパンダ。」

翻訳すると、

「自分がトップになってこの国を治めれば、必ずや立派な世の中になることだろう」

という意味だったと思う。タコが治める国って?子ども心に好奇心を抱いた。

 昨今の日本にはさんぞーさんがやたらたくさんいるように思う。

国会、TV、新聞、SNS、ネットの投稿、、、なんだかさんぞーさんだらけ。

 みんなアル中だったりしているのかな?

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