第10話 次の教室に行くまでの話

次の授業をする教室に向かっている最中に帝坂さんが目覚めた


「あれっ?さっきまで戦っていたはずなのに」


「あっあの先生!」


「なんだ桐崎」


「えっと、帝坂さんが起きました」


「そうか、帝坂もう模擬戦は終わったぞそれとお前は負けた」


そう言って先生はそのまま目的地の教室に向かう


さすがにもっと言い方があると思うんだけどなぁー


「負けちゃったんだ……私」


落ち込んでるのか、ずっと元気だったのに


「あっ、ねぇねぇ」


そう言って帝坂さんは桐崎さんの肩を叩く


「なっなんですか?」


「さっき使ってたさぁー!マジックミサイルの強化版?みたいなのってどうやって使えるようになったの?」


落ち込んでたと思ったら全然落ち込んでなさそうだ


「えっえっと、あっあれはスキルで作った魔法ですから帝坂さんにはその使えませんよ」


「そうなんだー、じゃあさ友達になって!」


「えっ!えっとそのべっ別にいいですよそのとっ友達になっても」


「やったー!私、全然友達いなくてさ、この学校に入ったのも強くなりたいって思ったのと友達が欲しいって思ったからなんだー」


明らかに友達沢山いるコミュ力でしょ!


そう思っている間にいつのまにか帝坂さんが目の前にいた


「ねぇねぇ」


「えっと何?」


「私と友達にならない!」


すると芽依が割って入った


「刀祇さん、この子にデレデレしてないてすよね」


うっ!何か束縛が酷くなってる気がするがそれだけ俺のことが好きなんだろうなー


そう思って刀祇は惚けていると


「聞いてますか?刀祇さん」


「聞いてるよ」


「別にいいじゃん友達になっても」


「そうじゃなくて、デレデレしてたさ聞いてるんです!」


ここは決めるしかない!


だんだんと刀祇が芽依の顔に近づく


「こっこいうことはいっ家でしないとダメッ」


だが刀祇の耳には聞こえない、すると刀祇の口が開く


「俺は芽依にしかデレデレしないよ」


決め台詞が決まったー!心の中でそう叫んだ


だが誰もがそれはないでしょーと思った筈だ


「ちょっちょっとそう言うことは先に言ってくださいよ刀祇さん!」


「えっ!何のこと?」


「そっそれはそのー…………もー知りません」


プイッと芽依はそっぽを向いた


「ねぇねぇ、結局私と友達になってくれるの?」


あっ!忘れてた!でもまぁ友達ぐらいなら別にいいか


「まぁ、俺は別にいいけど」


「やったー!」


するとそっぽを向いた筈の芽依が急にこちらを見た


「ダメです」


「えっなんでダメなんだ芽依?」


「そうそうなんでダメなんですか芽依ちゃん?」


友達になるくらいは別にいいんじゃないのか


「気軽に芽依ちゃんって呼ばないで!それよりとにかくダメです刀祇さんは」


「あーわかった!刀祇くんと私が一緒にいると嫉妬しちゃうんだ芽依ちゃん!」


そっそうなのか!


「ちっちょっとぐらい嫉妬してもそんな風にはいいません!」


「じゃあなんでダメなんだ?」


「このメス豚は!」


「さすがにこのメス豚は言い過ぎだろ!」


「わっわかりました、刀祇さんの言う通りにします、でもこいつは」


こいつも言い過ぎだと思うが話が続かなくなるのでとりあえず喋ってもらう


「こいつは刀祇さんな向かって」


俺に向かって?


「色目を使ってます!」


「えっそれだけ?」


「それだけじゃありません!ものすごくボディタッチしてますさっきからずっと!私だってそんなに毎日触れてないのにーー!」


確かにいっぱい俺の体に触れてるとは思うけど言うほどかなぁー、それとそんなに俺の体触りたかったらさわればよかったのになぁー


「これはボディタッチじゃなくてスキンシップだよ芽依ちゃん」


「そんなのどっちでもいいですー、いっぱい触れてるのが問題なんですー、それと芽依ちゃんって呼ばないでください」


これがまさしく喧嘩するほど仲がいいってことか


「じゃあ芽依ちゃんも友達になろ!」


なかなかいい提案だ、だが受け入れるかなぁー芽依は


「嫌です、あなたみたいな人とは友達になりません」


ここは俺が一肌脱ぐか!


そう思って芽依の耳元でこう囁く


「じゃあ芽依は俺だけが帝坂さんの友達になってもいいんだな」


すると芽依は


「しょっしょうがないから友達になってあげてもいいですよ」


なんか上から目線だな、まぁこれでいいか


「やったーこれで三人目の友達だ!」


「刀祇さんはあなたの友達じゃありません」


「えっ?別にいいじゃん刀ちゃんと友達になっても!」


いつのまにかあだ名が刀ちゃんになってる、それとイントネーションが明らかに父ちゃんなんだよなぁ


「刀祇さんのことを刀ちゃんって呼ばないでください!」


「別にいいよねー友達になるのと刀ちゃんって呼んでもいいよね?」


クソッ!この上目遣いには耐えられる筈がない!


「うん別にいいよ」


「と・う・じ・さ・ん!」


まただこの芽依の冷たい目!これがものすごく心に突き刺さる!


そんなことをしている間に次の教室に着いた


「もう次の教室着いたから、そのコントみたいなのやめて早く入れ」


結局、教室の席に座るまでずっと言い争っていた、だが芽依があんなに嬉しそうにしているのがとても新鮮な感じがする


そう思っている刀祇の感情を読みとったのか刀祇を冷たい目で見る芽依


くっ!これは俺に新たな性癖でも目覚めさせようとしているのか芽依は!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る