姉妹

配信が終了し、とっくに外が真っ暗になった、この時間までこいつらの家にいるのは久しぶりだな。


いつもは、配信が終わるや否やすぐに家に帰っている。


みんなが言いたいこともわかる。せっかく女の子の家にいられるのに何で素早く帰ってしまうのか。もったいないではないかと、、、、




しかし、それは幻想と言わざる得ない。そりゃあ、僕だって最初は女の子の部屋ってだけで身構えて、緊張もしたさ。家に初めて入るときは、どんな部屋なんだろ~部屋はピンクの物が多いのかな~どんないい匂いするのかな~とか


いっぱい妄想したさ、でもね、実際来てみたら―――




予想以上に汚かった~ゴミ屋敷までとは言えないが、服が転がってたり、パンツが転がってたり、本は本棚から溢れ出しており床置き状態。絶句したのを今でも覚えている。


あの時は、僕がすごく焦ってしまったのを未だに覚えている。


だって、みんな大好きパンツ様だぞ。まぁ、そん時の僕からすれば、光り輝く黄金のパンツじゃなくて、見てしまったことで警察沙汰になるんではないかという、心が真っ黒おパンツだった。


この続きは、また語るとしよう。楽しみにしておいてくれ!!






そんなところから、こいつを普通の女の子扱いができなくなってしまったのだが、、、、、




~~~~~~~




「今日は、百万人を祝ってカンパ~い」




有紗が、掛け声を出して、その瞬間グラスを前に突き出す。


続いて僕もそして、先ほど帰って来た有紗の【妹・中川あかり】も続いてグラスを突き出す。


三人のコップがコンッッ小さな音を立て終わると、喉の音をたてながらコーラをゴクゴクと飲み干した。


「コーラはやっぱり、カァ~しみるねぇ~」


「おねぇ、有楽町で飲んでるオジサンさんみたいだよ」


「はぁ~そんなわけないじゃん、うちこんなにんだカワイイんだよ!!ッてかお祝い事の時くらいコーラに付き合ってくれてもいいじゃん」


「私、太りたくないんで。ジャスミンティーで十分なんですぅ~。なので絶対、の・み・ま・せ・ん」


「そんなに強く言わなくたっていいじゃん。あかりのバカバカバ~~~~~~カ」


「おねぇ、知らないの?バカって言った人はカバと結婚するんだよ~」


「うち、もう高校生だし。そ、そんな迷信を信じるわけないじゃん」


「ほほ~ん、信じないか。未来が楽しみだね。」


「そんな、ことないもん、、、、、、、、たぶん」




どうやら、僕をこの輪には入れてくれないらしい。


この二人の言い合いは、とても面白いので個人的に大好きだ。


二人とも絶対に仕事で見せないレア顔を僕だけに見せてくれると考えると、なんだか僕は神の子供ではないかと、勘違いしてしまいそうになる。


まぁ、二人とも意識はしてないんだろうが・・・・・




でも、今日はあかりの気分がいいのだろう。


あかりは、感情が表に出やすい。本人は分かっていない節があるが。


姉妹で、言い合いをする日は、気分がいい日なのだろう。それが僕が長年の研究で導き出した答えなのだ。


あかりは、素直に言えないだけで、姉の百万人記念を心から祝っているのだろう。


ってか、そろそろ会話混ざらなきゃ僕やばくね。


だって今、存在感皆無だし。でも、この二人の口喧嘩はまだ聞いていたい。


ここは、欲望に忠実に黙っていよう。うん、そうしよう。




「しょ~ごはどっちなの?」


「しょうごさんは、もちろん私の味方ですよね☆彡」




エッ、ボクガカゲデイルカマヨッテイルトキニナニガアッタノ?


何故か、こっちにこいみたいな顔で二人はこっちを見ていた。

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