「今日もお疲れ様~明日も頑張ってね!!じゃあ」

私のマネージャーがキラキラとした笑みで私を見送っている。

「出してください。」

タクシーの運転手に出発の合図を出した途端ドアが閉まる。

今は、夜23時を超えている。周りは真っ暗だ。

しかし、車やバス、家やビルの明かりが灯っている道を進んでいく。夜遅くまで灯っているビルは残業でもしているのだろうか。そんな関係ないことを考えているうちにもタクシーはドンドン進んでいく。

子供が一人で、帰る時間ではないのは明らかだ。

タクシーの運転手もなんでこんな時間に子供一人を乗せないといけないんだろうと思っているころだろう。もちろん、運転手もプロだ。通報とか深堀とかはしてこない。

一日の中で一番ゆっとりした時間を過ごす。私は、曲がりなりにも忙しい身だ。

学校も最低限しか通えていない。これが今後差が出てくることは自分でも分かっている。

しかし、今はまだ、、、、、、、この業界を去るわけにはいかないのだ。勝ち取るために。





プロのセカイはそんなに甘くわない。


世間からは天才声優現る。そんな風に言われているが、そんなに器用なもんではない。

裏では、ダンスのコーチに怒られっぱなしの日も多いし、毎日のようにダンスしながら泣いている。

ちょっと前までは、コーチとマネージャー以外私の努力を誰も知らなかった。

正直苦しかったし、もうこんな仕事辞めたかった。

そんなある日。。。。。


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