第11話 世界はだいたいお節介で回っている、良くも悪くも

 ふと気が付くと、私の視界はいつの間にかよく見えなくなっていた。涙できちんと見えなくなっていた。


 今日はまずは家に帰ったら、私も親に色々と伝えた。何を言いたいかは全然分からないけれど、普段言えていない感謝もきちんと言おう。ただ、素直に感謝の気持ちをちゃんと親に伝えたいと思った。




 本当に身勝手だけど、早く家に帰って両親に会いたい。




 それに、今さらながら、いや、本当に今さらながら、この二人を邪魔するのも悪いと思い、手短に帰りの挨拶を告げて帰る。


 玄関を出た時に声をかけられた気がするが、もう大丈夫だろうと思ったので気にせず帰る。



***



 帰り道。七宮家での出来事を思い出す。


 私がしたことはそもそも要らなかったのかもしれないなと思う。恐らく私じゃなくても、何かのきっかけがあれば七宮君一家はちゃんと歩み寄れたんだろうと偉そうながらそう思った。


 これで私の自分勝手でお節介100%な使命は果たされた。あんなに大切にしてくれる家族がいるのであれば、私は当然不要だろう。


 あれだけ燃えるように熱かった魂はいつも通りに戻っている。心に残ったのは優しい家族の愛情。ほっこりと暖かいそれは、私を満たしてくれた。


今は何よりも家に帰って親に会いたい。それだけだ。

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