ある日のこと 12

ここはクリエイティブな物書きと、それをこよなく愛する読者さんが住んでいる国『カクヨーム王国』である。


『カクヨーム王国』では、それぞれのカクヨムさんたちが、それぞれの本屋さんを持っている。その本屋さんでは、なんとその店主のカクヨムさん達が書いたお話のアトラクションに、無料で参加できるのであーる。


さてさて、早速今日も彼女のカクヨーム王国での日常を覗き見してみよう。実は、だいぶ前から自分の本屋さんの隣にある「カキカキルーム」で作業していたようだ。服装は今日もスウェットのズボンにヒートテック、フリースベストを着て、前髪をゴムで留めてる「自称連載作家気取りコスプレ」である。


―― ふぅ、一息ついた! 今日はちゃんと、『妄想主婦の日日是好日日記』を書き上げたぞっと。昨日書くの忘れてたんだよねぇ。昨日も『近況カフェわおん』やっちまったからな。楽しすぎちゃって。妄想日記書いた気になってたわ。


どうやら昨日は、毎日更新を心がけているエッセイをおサボりしてしまった様子。それもそのはず、懲りずに昨日も近況カフェで遊んでしまったのだから。その模様は日記と言いながら昨日のことを書いた妄想日記の方に載っているらしいが、ここはまた別のエッセイ。ということで、引き続き覗いてみようと思う。


―― さ、ヨムヨムして来たもののコメント返信いただいてたんだよね♪ まずはそれを読ませてもらおっかなっと。


「いでよ! コメ返通知!」


彼女がそう叫ぶと、ちょうど読みたかったコメントお手紙のお返事がホログラムで浮かび上がった。なんとも、風情のある風景のお返事である。丁寧に手入れされた苔庭に佇む詫びた茶室が浮かび上がっている。


【きょうを読む人  作者:四谷軒さん】

https://kakuyomu.jp/works/16816700428558630563


――このお話、大好きな星都ハナスさんのおすすめをご紹介しているエッセイで教えてもらったんだよね!


【❤️カクヨムの天使❤️ 作者:星都ハナスさん】

https://kakuyomu.jp/works/16816452218343050982


――時代物って、あんまり読まないし、そもそも一生書けないジャンルだと思っていて、なかなか手が出なかったんだけど、敬愛するハナスさんのおすすめときちゃあ、読まないわけにはいきませんってもんよ! と思って読んでみたんだよね! っそしたら、なんと!千利休様のお話で! もうあれです! 茶道を少しかじってる私としては、大変興味深く!そして、なんと泣いてしまったんだよねぇ! ガチで! えっと、私はなんてコメントしたんだっけかな?


「いでよ! 私のお手紙!」


妄想世界は大変便利。彼女の出したお手紙がその茶室の中から、まるで御釜から立ち上がる湯気のようにゆらゆらと出て来た。


「ほほう。さすが、茶室のお話。お手紙の登場の仕方も、粋な計らいで」


『利休様の佇まいに、思わず涙が出ているのですが、どうしてでしょう。全てを知っていてもなお、お気遣いされるお心に、胸が打たれます。結構まじで泣いてしまっています。最後まで行けるでしょうか。』


――おお、そうだそうだ、本当に涙が出て来てしまったんだった。この辺りのお話は映画『花戦さ』で拝見したことがあるから、そういうのもあって、妄想アトラクションは、もうお茶室の中だったんだよね。あ、いかん。また涙が……。くすん。うん、で、お返事が……


「お手紙のお返事がみたいです」


妄想世界は大変便利。彼女のお返事がすうっと下座にそれて、四谷軒さんからのお返事がまたもやゆらゆらっと現れた。


『結局、茶人としての意地というか、誇りというか、そういうあたりがこの頃の利休を支えていたというか、「それしかないんやで」という気持ちだったんじゃないかなぁ、と思うのです』


――あぁぁぁぁ。また涙が。本当そうですよね。そして、その茶人の生き様が、本当に今の世まで受け継がれているのですよね。あぁぁぁ。岡倉天心「茶の本」で読んだ利休様の最後、そのもののストーリーで、もう間近で息遣いまで聞こえてくるようでした。本当にいいものを読ませてもらいましたぁ!!!


「超おすすめです! また再読しに参りますぅぅぅ……」


その後も彼女は、コメントのお返事を読みながら、また胸に手を当て、涙を流しているのであった。きっと、利休様のお心遣いが胸に染みいるのであろう。もう今日は、この感情を味わいたいと、ずっとこのままで面白くはないであろうから、この辺にしておくこととしようか。



全てのジャンルの人々が、自分とは違うジャンルも愛し、争いのないカクヨーム王国は今日も平和にすぎていくのであった。


しかし、現実ワールドでは、そうも言ってはいられないようだ。


この画面を閉じる前に、犠牲になられた方や、ご家族の方々、心配されているすべての方々、そしてこの世界の全てに、祈りを捧げたいと思う。そして、今日は、振り上げた手をなかなか下すことのできない王様にも、早く優しい光に包まれて、争いを終了してくれますようにと、祈りたいと思う。



もしお読みくださっている方の中で、ご一緒にしましょうか、という方があれば、良ければぜひ。




――黙祷。



世界中が暖かい光に包まれ、戦争のない優しい世界になりますように。




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