第348話『だ、誰だ貴様はー』
第三百四十八話『だ、誰だ貴様はー』
【名称解説】
【ナナヨ・イゴ級戦略戦艦】ダンジョン化戦艦。コアはイズアルナーギの強化型を使用。
全長2,400m 最大幅700m 全高120m 乗員収容限界は実質的に無し。
主砲の360cm連装神気砲は十六門、100cm瘴気高角砲は状況に応じて増える仕様。
姉妹艦の【オシホ・ミミ】と【タクハタ・チヂ】は、それぞれ妖蟻皇帝と妖蜂女王に贈られた。小型爆撃機【九九イザークン】等の航宙兵器を多数艦載している。
【HGS《ハーゴッデスシップ》アングルボザ】ダンジョン化戦艦。
全長約30km、幅約5km、全高約1km、乗員収容限界は実質的に無し。
格納されている小型艇がアメリカの空母よりデカい。艦載されている偵察機がジャンボジェットよりデカくて偵察に不向きで大草原不可避。
三連装神気砲と言う意味不な主砲が九基二十七門、砲の長さが200mで邪魔過ぎ定期。対空砲がズラリと並んでいるが、何を撃ち落とすのだろうか?甲板が緑地公園みたいになっているのは何故だろう?
艦長はゴブリン氏族長の『コカゲデ・ハードエ=スエム』、コア息子は『イグチヒラー』、姉妹艦はゴリラ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
十月二十九日、午前十時十分、ウンコハウス玄関前、天候は俺の
今夜は嵐が来るぜ……
右手で鼻を押さえて涙目の直樹少年(全裸)、そんな俺を見てギョッとする悪魔達。
そいつらを代表して傭兵ギルドのギルド長ヒガデが恐る恐る疑問を口にした。
「あ、あのぅ猿王様? そのお姿は……あ、ひょっとしてセイラが消えた事に関係が……」
「この少年姿はアホを釣り上げる為だ。セイラは桃色空間で一億年くらい
「あぁぁ、然様で……」
「ん? ほほぅ、今セイラに確認したら、ギルドの受付は続けるそうだ」
「えぇぇ……陛下の御側室を受付に置くのはちょっと……」
「傭兵ギルドに渡したアレ、俺とヴェーダが創った能力値を測る宝珠、アレの管理は誰にも任せられん、と言う事らしい」
「アレかぁ……そう言われるとそうですねぇ、陛下の側室様が扱った方が色んな意味で安全でしょう」
「うむっ、今後ともセイラと宜しくやってクレメンス」
「はっ、こちらこそどうぞよろしくとお伝えください」
「それでは陛下、こちらへ……」
せっかくウンコハウスの事を忘れていたのに、マハルシダンジョン産の新型カメラを首からぶら下げた神官長のタスロが余計な世話を焼く。
悪魔神官の数名がウンコハウスの両開き扉を開けた……
鼻を突く悪臭がモアァ~っと外へ溢れ出る。
クッ、何だこの
物理が効かない俺の眼球を刺激するとは……
何と言う恐ろしい臭さだっ!!
あっ、イセトモアテナ臭と名付けようっ!! プフフ。
『伝えました』
ッッ!!
お前……
お前さぁ……
『あ、アテナが新型機【パラスアテナ】で出撃しようとしてアポロンとポセイドンが止めに入りましたが……残念です』
何が残念なの?
止められなかった事?
それとも惜しい人を亡くした系?
『妖蟻旗艦ナナヨ・イゴ級戦略戦艦『オシホ・ミミ』が護衛艦を引き連れ【です☆すた】の転移出港ゲートに出現、続いて妖蜂旗艦ナナヨ・イゴ級戦略戦艦『タクハタ・チヂ』が転移完了、両艦隊が発進、港を出ました、後を追ったパラスアテナをオシホ・ミミが収容、大気圏突入開始、惑星ヴェーダに流れ星が降り注ぐ……そんな感じの大艦隊による大気圏突入でした』
ファァァ……(白目
『艦隊はラージャが最初に着水した【ナオキの海】上空に到達、艦首を西に向け【ナオキ×ヴェーダ最推し大陸】を目指します。到着は一時間後、時速二万km、マッハ16.3で飛行中です』
酷い名称……
って、なっ、速ーっ!!
オ、オゥェェェ、オェェ……
ハァハァ、な、何とかしないと……っ!!
ッッ!!
みみみ、南っ!!
南に大陸が在ったら欲しいですねっ!!
そこにチビッ子直樹王国を創りたいなぁ~なんつって!!
『両艦隊は南へ転進……おやおや、【です☆すた】から【
そ、そうか……
ホッとしていいのか解らないが、貫壊トリオの相手はせずに済んだ、この小学五年生ボディであの三人から責められたら……ゴクリ、危険な扉が開く幻を見たぜ。
俺が頭を振って軽い溜息を吐くと、カメラのシャッターを押しまくるタスロが心配そうに声を掛けてきた。どこにシャッターチャンスが有ったのかは分からない。
「あ、あのぉ、陛下? 御
「いや、大丈夫だ、問題無い、中へ入ろう」
「然様で御座いますか、何か御座いましたら、すぐにお申しつけ下さいますよう……それでは、こちらへ」
「うむ……臭っ」
「ハッハッハ、臭いですか、私共は既に鼻がヤられております、陛下も
それ慣らしちゃ駄目なヤツでは?
大丈夫? 耳鼻科行こう? ついでに精神科も。
そんな心配をしつつ、タスロとヒガデの悲し気な背中を追ってウンコハウス内を進む。ここでは足元注意が基本だな。
ん?
短い廊下の先、ボロい木製の扉で閉ざされた奥の部屋からバシャバシャと水音が聞こえる……
この家で水音……嫌な想像しか出来ない……
危険な雰囲気を漂わせる奥の部屋に到着、入り口で二人が止まり振り返る。
「どうぞ、中へ……」
「崇高なるお方がお待ちです……」
崇高……??
ヒガデとタスロはそう言って頭を下げ、一歩下がって道を開ける。
俺は不潔なドアハンドルにチョンと人差し指を乗せ、それを下に押して扉を開いた。
さて、『崇高なるお方(笑)』のツラでも拝んでみますか……
…………??
えっと、誰?
って、クッサ!! 臭い臭いっ!!
目にキタ目にキタっ!!
「やぁ真我の子、お先に頂いているよ」
悪臭を割って放たれた美声……
俺は声の主と視線を合わせる……その前に質問。
目と鼻を刺激する悪臭が充満する汚部屋、その部屋の床をゴッソリ取り除いて掘られた……これは温泉プールならぬ【汚染プール】かな?
絶対に入りたくない
いやいや、おいでおいでされても……『知らない人とウンコ風呂に入っちゃ駄目、ママのお願い、絶対に守って……』ってお母ちゃんが言ってたから……
いやいや、照れてるとかじゃなくて、あ、両手でお湯を掛けるみないな行動はヤメテ下さい面白くないです、あはは、ヤメ、あは、ヤメロ殺すぞ?
って、いやマジで誰?
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