第326話『そんな公害は隔離です』





 第三百二十六話『そんな公害は隔離です』




【人物紹介・名称解説】


【アングルボザ】魔神妃? 通称アングルママ。巨神族。ロキの正妻。ゴリラが好きな義母。時々マハルシに訪れては義息の『キノコ狩り』に出かける。


【猫魔神】三皇五帝の一人。『死に戻り』の能力でイキリ散らしていたがゴリラ軍に敗北。その後、ゴリラ軍のレベル上げ用サンドバッグとして大活躍。何度死んでも生き返るので心は死んでいる。


【冥神ディプスロート】別名神気タンク。猫魔神に加護を与えていた女神。ゴリラに敗北。滅びをまぬがれたが、その神気を猫魔人に注ぎ続ける罰を受ける。猫魔人はこの神気供給のお蔭で何度でも死に戻る。



【ロッキー大陸】五大陸の一つ。ゴリラが魔王ロキにあげた大陸。ど真ん中に世界樹ユグドラシル在り、世界蛇ヨルムンガンドが巻き付いている。南東から南に延びる列島諸島が在る。ジャキが支配するので『ジャッキー列島』と名付けられた、魔族語では『ジャッキーチェーン』と言う。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 十月八日、早朝、当然のように大森林は晴れ。


 深夜に軽く雨を降らせて環境維持をはかるところにママンの思いやりを感じる。


 ンあふぅん……有~り難う御座いまぁっす。


 久し振りの聖なるチンサスは以前より激しい、危うく『モーニングスプラッシュ・白因子を添えて』を放つところだった。


 マハーカダンバの根元に立ち、母の神像を見上げる。


 アレレ~……?


 俺が彫った当初より大きくなっているのは何故だろうか……


 ゴリラを右足で踏ん付けた調伏姿を彫ったはずなのに、何故かゴリラに駅弁スタイルでハメられたポーズになっている……


 ヒンドゥーのシヴァ神と奥さん達のハメポーズは有名だが、あれをもっとリアルにしたヤツだ、局部にモザイク処理が必要なヤツだこれ……


 って言うかその他の女神像も全部ゴリラとヤッてるヤツになってる……


 アングルママは……何だろう、あんなに勇ましいポーズだったのに、まるで戦争に負けた女戦士のようにヨツンヴァインになって五匹の小猿から両手と三穴を塞がれてる……


 なるほど……

 これ全部俺が彫ったヤツじゃなくね?



『ラージャが彫った神像は我々がそれぞれの神室しんしつへ大事に保管しました』


「じゃぁコレ彫ったの誰?」


『オリュンポス十二神のアポロンとヘパイストスの共作です』


「芸術神と鍛冶神か……さすがに上手いな」


『アートマン神像だけは貴方が彫った神像をアートマンが無理やり変形させた物です。王妃達はそれを見て羨望せんぼうしましたが、ヘーラーが長男のヘパイストスを呼んで皆の彫像を依頼してくれました』


「ママンの所為せいだったか……って待てよ、ひょっとしてこの神像群の中にオリュンポスの女神も加わった?」


『そうですね、右側に七体、ラージャとの聖交セクロスで一番気持ち良かった体位の神像だそうです』



 狂ってる、オリュンポスは全体的に狂ってる……

 主神が一番狂ってるから仕方ないのか……?


 そう言えばその狂神ゼウスはどうなった?

 信仰があつくて滅ぼすのが困難と聞いたが……



『そのようですね、現在は大魔王一家の模擬戦相手として役に立っているようです。プルピエルとリリスは二人掛かりでゼウスに挑んでも勝てなかったそうですよ?』


「そりゃぁなぁ、腐っても鯛、今でも西洋の代表的な『主神』って言えば『ゼウス』って即答されるくらい知名度も有る、お祈りされる対象って話ならまさに桁が違うはずだ。そう考えると強くて当たり前だな、あの爺ィ。もはや公害だよ」


『そしてあの異常な性欲ですから……もう何人ものサキュバス娼婦が餌食になったようで、これにはルシフェルもキレ気味の苦笑を漏らしたようです。エロ博士として義父に何か助言をしてあげればどうですか?』


「エロ博士ではない、愛の博士だ(キリッ」



 助言ねぇ……助言、アドバイス、う~ん。


 エロ爺ィが大人しくして、尚且なおかつこちらの利益になる事……


 地球の新宇宙転移は終わったんだよな?



『ええ、イズアルナーギが先日』



 と言う事は、オリュンポス山をゼウスに返しても問題無いな?



『まぁ、そうですね、イズアルナーギからして見れば庭の砂山を老人に与える程度の事でしょうし。しかし何故返す必要が?』


「地球圏の神界に在るあの山ならまた信仰を集めやすいだろ?」


『どういう意味でしょう?』


「ロッキー大陸のダンジョンで猫魔人の神気タンクやってる冥神居るじゃん、えっと、名前何だっけ?」


『女神ディプスロートですか』


「そうそう、あの神気タンクも信仰がイマイチだから回復が遅いじゃん、だからゼウスの嫁にやって認知度を上げようかなと、ついでに神気タンク……ディプスロート?を信奉する獣人共もオリュンポス山に送れば良くね? ゼウスなら穴が有れば誰でも襲うだろうし、被害を罪人同士で収められる」



 あの獣人共はロッキー大陸じゃぁ何の役にも立ってねぇしな。ついでにライダーが異世界で捕らえた神々も送るか。


 新宇宙で神気タンクを元気にさせて、猫魔神の死に戻りをスムーズにしてくれっ!!



『う~ん。良い考えですが、イズアルナーギは異物を自分の神界へ入れる事を嫌いますので……まず無理かと』



 そ、そうだった、神界所有者がイズアルナーギ様だった……

 異物絶対殺すマンだった……


 そもそもイズアルナーギ様にまったく利益が無いなこの計画は……


 ゼウスとディプスロートが信仰を得て第三者に力を供給し続けるのは良いが、イズアルナーギ様の神界は九割九分の住民がイザーク教信徒、信仰心はほぼ独占、それに比べればゼウス信者が贈る信仰心などゴミに等しい……っ!!


 となれば、オリュンポス山送りはあきらめて……



「もう【です☆すた】にぶち込むかぁ?」


『良いと思います』


「何かもう【です☆すた】は在来種の移住でノアの箱舟みたいになってるし、艦の全体がダンジョンだからゼウス信者の生気徴収もディプスロートの猫魔神用神気吸い上げもまとめて出来る、非常に効率的です」


『では、ルシフェルとロキに伝えますね』


「ハイお願いします。一気に全部済ませてしまおう、俺は【です☆すた】の拡張工事とゼウスのヤリ部屋創りだな」



 そう言やぁ……


 ゼウス爺さんの権能って、何だ?









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